わいわい保管庫

たまに文章書いたりする筋トレが趣味のオタク。『ついったーでいっしょにとれーにんぐ』のテキストや監修も今やってます。何かあればTwitterでDM下さい

ここ数年のなろう小説の名文をピックアップする

 

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みなさん、なろう小説読んでますか?僕は『魔法科高校の劣等生』にドハマりしてからというもの、なろう小説独特の魅力にやられて時々読んでは楽しんでいます

 

当時どれくらい劣等生にドハマりしたかと言うと、主人公の司波達也に感情移入しすぎて、身分証が必要ない場面では常に「司波達也です」と名乗っていました。たまに全然元ネタを知らない人から「え~!漫画キャラみたいな名前でかっこいいですね!」と言われることがあり、そのたびに「やれやれ…」と言っていました。今思い返すと完全に狂人です

 

ところで、なろう小説と言えば「異世界」や「チート」、「ハーレム」などがその特色として挙げられますが、何よりも一番自分が重要だと思っているのは「読んでいて不安にならないこと」です

 

というのも、仕事や学校で疲れて帰ってきた後に主人公が敗北したり惨めな思いをしたりするような内容のものを読むと「なんでフィクションの中でもこんな思いをしなきゃいけないんだ!」とさらにドッと疲れが襲ってきてしまうからで、こういった思いを抱く人は僕以外にも多いと思います

 

その点なろう小説であれば一切その心配はありません。毎日上司に叱責されて無力感で打ちひしがれるおっさんも、異世界に行けば女の子には理由もなくモテモテになり、悪役に対しては無双。『魔法科高校の劣等生』でもそうだったのですが、何をやっても褒められるので、とてつもない全能感が体中に満ち溢れてきます

 

どのくらい褒められるかというと、登場人物たちが何気ない行動を全て褒めてくれるので、拾い食いをしても「まぁ!地面に落ちた不衛生な食べ物を消化する強靭な胃袋!素晴らしいですわ!」とか言われそうですし、強盗をしても「まさか、暴力を使って無理矢理金品を奪うなんて考えもしなかった…!とてつもない発想力だ!」とか言われそうです

 

とにかく読み進めるたびに自分が感情移入している主人公が褒められるのでグングン自己肯定感がアップし、就寝の時間が近づく頃には精神的充足感がバッチリ得られ、また明日の辛くて厳しい生活に立ち向かうためのエナジーを蓄えることが可能なのです。つまりなろう小説とは「読む抗うつ薬」と言っても過言ではないでしょう

 

という訳で本題に戻りここ数年のなろう小説の名文を紹介していきたいと思います。基本的には過去に話題になった作品からピックアップしているので、メジャーなものが多いです

座って食事をするだけで褒められる

ではまず1発目はこれ

「な、なんだコイツら木箱に座って食べているのか」
「それだけじゃないぞ……! 食事も木箱の上に乗っけている!」
「本当ね、余裕があって何だかかっこいいわ。こんな方法を思い付くなんて、凄い発想力だわ!」

「…………どうしてだろう。何故か視線を感じるよ」
「気にしすぎだ。今は食事に集中だけしていればいいさ」
「そうだね……ううっ」
もぎゅもぎゅと口を動かして食べる少女。元から量もそんなに多くなくて、あっという間に食事は終わった。
「そろそろ店を出るか」
「そうだね……」
そう思って私たちは席を立ったその時だった。先程の女店員がこちらにやって来て。
「あ、あの……! それはどうされたのですかっ!」
「それ……とは。この木箱の事かな?」
「そうです。私、それに座って食べる人を始めて見ました。だけど、これなら服も汚れなさそうで……」
「なら、君も座って見るといい」
その言葉に店員は嬉しそうな顔を浮かべて。
「い、いいんですかっ!? 座っても!」
「…………ああ、構わないが」
「ありがとうございます! 貴方は優しい人なんですねっ!」
その喜びように私もケーレスも顔を見合せて同時にため息を吐いた。
「良かったらそのまま置いてもいいが。後で捨てようと思っていた所だったからね」
元々は先程の部具店のいらないものを私が譲り受けただけの事、この店が引き取ってくれるのならば、それはそれで手間が省ける。
「そんな……本当に何と礼を言っていいのやら…………」
「それなら礼の代わりにこの技術を広めて欲しい。さすがに立ったまま食事をするのはキツイからね」
「元よりそのつもりでした。これで誰も食事の時に筋肉痛にならなくて済みます」
「そうか、では私たちはこれで……」

さっきの会話を聞くに、きっとすぐに椅子とテーブルの技術は量産されるだろう。ならば後はそれを気長に待つだけだ。
「金はちゃんとテーブルの上に置いてあるから安心してくれ」
「な、なるほど……この大きいのがテーブル。分かりました、ありがとうございました」
そう言ってお辞儀をする女店員。それに私たちは何と返していいのか分からないまま店を出た。

異世界征服 ~異世界に転移したので略奪スキルで商人を目指していたら世界を掌握していた件~

 ちょっと読んだだけでこの名文の素晴らしさが分かって頂けると思います。イスとテーブルを使って食事をする文化が存在しない異世界を訪れた主人公が、座って食事するだけで褒められるという場面です

 

初めて読んだ時はあまりの衝撃に「クソッ!なんで僕は食事しているだけで褒められないんだッ!」と叫んでしまいました。普通の日常を送っている人間だとまずこのシチュエーションで賞賛されることはありませんし、僕に至ってはごはんを食べている時に「この穀潰しが!」、「仕事は半人前なのにメシだけは一人前に食うんだな」という罵倒を受けたことがあります

 

 それはさておき、イスという文化を伝えた後の『これで誰も食事の時に筋肉痛にならなくて済みます』のキレが良すぎて、読者の腹筋の方が先に筋肉痛になる可能性が高いです

 

最後の締めの文章も素晴らしく、「これがテーブル…ありがとうございます」とお辞儀をする店員に対し『それに私たちは何と返していいのか分からないまま店を出た。』という主人公たちの反応が書いてありますが、なんと返していいのか分からなくなるのはこれを読まされた読者の方だと思います

 

肉を両面焼いただけで褒められる

2発目はこちらです。

・・・言っては何だが、技術も減ったくれも無いな。

 焼き方は合ってるのだが、ただ火を通しただけで全体に熱が行き渡る様に回転をさせてないから半分の面が焦げかかってて、半分が生煮えだ。

 ご飯は流石に普通だが、肉は酷いもんだ。

 それを皆何も言わずに美味しそうに食べている

「あのー、少し聞くけど、いい?」

 俺はなるべく失礼のない話し方で言った。

「何かな?」と奥さん

「この肉の焼き方なんだけど、これは何処でもこのやり方?それともこの家だけ?」

「この焼き方も何も、他に如何焼けと言うの?」とリンナ

 どうやら、本当に分からないらしい。

「先ず、恐らくこの針の棒を指して竃に入れ込んだだけだと思うんだけど
竃の上に網か何かを置いてそこに人数分の肉を一旦置いて、程よく焼けたら裏にしてまた焼く。
 こうすれば両方に均等に熱が加わるんだけど?」

「・・・なるほど、考えた事も無かったわ。なら君が一度やって見せてくれない?奥さんはそれに付いて見て貰って方法とやり方を盗ませて貰ったらどう?」

村から始まる異世界王国誕生物語

植民地をゲットしにきた白人がアフリカの原住民に出会った時のような感じですが、これがなろう小説です。今までの小説に対する常識は全て捨て去って下さい。

 

片側しか肉を焼かない異世界人に対して両面を焼くことで賞賛されてしまうシーンですが、両面でこの反応ならばおそらく異世界人たちはサイコロステーキの6面を全て焼いたりしたら嬉ションしたまま絶頂&失神してしまうのではないでしょうか

 

余談ですが、僕を含めたなろう小説の名文愛好家たちと焼肉に行った時は毎回、いつの間にか1人が裏返さずにじっと火を通し、それに気付いた人が「こうすれば両方に均等に熱が加わるんだけど?」と言いながら肉を裏返す小芝居が始まります

 

代名詞が消え失せた世界

それでは3発目です

 大型肉食恐竜型ハンターは、小型獣型ハンターに振り向いて大きく口を開けて吠える。
 まるで獲物の邪魔するなと言われているようで、攻撃を止めて戸惑う小型獣型ハンター。
 小型獣型ハンターは大型肉食恐竜型のハンターに牙を向けて威嚇したり、吠えて威嚇している。
 大型肉食恐竜型ハンターはぶるぶると頭を振って小型獣型ハンターを片足で踏み潰す。
 大型肉食恐竜型ハンターに踏み潰された小型獣型ハンターは頭を上げて吠え、頭が地面に突く。
 小型獣型ハンターの紅い眼が点滅して消え、小型獣型ハンターからばちばちと火花が散っている。
 大型肉食恐竜型ハンターがオレに襲い掛かろうとしている小型獣型ハンターを銜えて放り投げ、口の中の砲口が伸びてキャノン砲で小型獣型ハンターを撃つ。
 小型獣型ハンターが空中で身体を起こすのも虚しく空中爆発する。
 大型肉食恐竜型ハンターは尻尾で小型獣型ハンターを薙ぎ払い、口の中の砲口からキャノン砲で小型獣型ハンターを撃っている。
 小型獣型ハンターが大型肉食恐竜型ハンターと戦っている。

ゾッ帝 パティシエ修行編

今ここを読んでいる人がどういう行動を取ったか当てますが、あなたは上の文章を途中で読み飛ばしましたね?でもそれは当然のことだと思います

 

まるで「今から文章を書いて下さい!…ちょっと待った!ただ1つだけルールがあります。それは代名詞を使わないことです。まぁ使いたければ使ってもいいですが、その場合…お前の両親の指を1本ずつ切り落とす…!」と宣告された人が書いたような感じに仕上がっており、文章の書き方なんかを教える本だと「これが悪い例ですよ!」と全力で紹介されそうな、華麗なる悪文に仕上がっています

 

ちなみにこの作者は一部の界隈である種の絶大な人気を誇りつつ、「神がおふざけで作った男」などと称されネットのおもちゃにされているsyamu gameさんと同一人物です

 

ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ―――。

4発目です。

『それじゃ、行くぞ』
 フェルのかけ声とともにみんなが部屋の中へ飛び込んでいった。
 ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ―――。
 ドガンッ、ドガンッ、ドガンッ―――。
「「「グォォォッ」」」
「「「ブモォォォッ」」」
 トロールとミノタウロスにフェルの風魔法と雷魔法が炸裂する。
 ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ―――。
「「「「「グルォォォォッ」」」」」
 火魔法を体にまとったドラちゃんが高速で移動しながらトロールの胸を次々と貫いていく。
 ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ―――。
「「「「「ブモォォォォッ」」」」」
 スイの酸弾がミノタウロスの腹を溶かしていく。

とんでもスキルで異世界放浪メシ

ちょっと待って下さい!これはれっきとした異世界モノのバトルシーンで、決して小学生が悪ふざけで書いた文章ではありません。ほぼ擬音語とモンスターの叫び声で展開される新感覚のバトルに、初見の人は圧倒されて泣きながらブラウザを閉じてしまうかもしれませんが落ち着いて下さい

 

みなさんも経験があると思いますが、人は興奮したり、感動したりと精神が不安定になった時にすごい勢いで語彙力が無くなっていきます

 

僕もごちうさなどの可愛い女の子が出てくる深夜アニメなんかを見ていると、気分が高まってきて知らず知らずのうちに頭をかきむしりながら「「「「「ブモォォォォッ」」」」」 と言葉にならない言葉を叫んでしまうことがよくあります

 

まぁでもここで挟んだ話は、いくらでも落ち着いて推敲することができる小説という今回のケースには全くあてはまらないので、単に作者のボキャブラリーが貧困なだけというのが悲しいところです

 

ただ1点だけ補足しておきたいのですが、文章はアレですけれども着想はかなり面白いです

 

異世界に召喚された主人公の固有スキルが「ネットスーパー」で、ネットで購入した現実世界の調味料を使ってファンタジー世界のモンスターを料理していくという話の流れなのですが、「次はどんなモンスターがどんな調理をされるんだろう?」とわくわくしてしまいます。異世界でありながらも生活感がにじみ出る独特のテイストは他では得られないでしょう

 

そして実はこの作品、文章がアレという唯一の欠点を帳消しにしたコミック版も出ているので読むならそちらの方がオススメです

 

とんでもスキルで異世界放浪メシ 1 (ガルドコミックス)

とんでもスキルで異世界放浪メシ 1 (ガルドコミックス)

 

 劣等生を超える逸材、マサツグ様

5発目、これで最後になります

ここでは僕がなろうで最も好きな小説を紹介します

「んぎいいいいいいいいいいいいいいいいい」とミヤモトがまたしても金切り声を上げた。

一方で、俺のその剣技を見ていた少女たちから感嘆の声が上がる。

「ご主人様、すごい・・・。太刀筋が全然見えません」

「聖剣をいきなり使いこなすなんて・・・。もしかしてマサツグ様は勇者様でもあったんですか!」

「勇者どころじゃないよー、神様にだってなれるんだからー」

「ち、ちくしょう! 返せ! 返せよ! 俺の聖剣を返せ!!」
そう言ってミヤモトが泣きじゃくりながら俺に迫ってくる。

「いや、もちろん返すさ。ふう、まるで俺が弱い者イジメをしたみたいに思わるじゃないか。そうだ、ちゃんと説明しておこうじゃない。皆さん! 俺はいじめをしてるわけじゃありませんよ!!」

俺はそう言って周りにイジメではないと大声で説明をする。

「や、やめろよ! 俺はイジメなんて受けてる訳じゃねえ!い、いいから返せよ!」

「だからそう言ってるんだ。いじめなんて最低の行為を俺はしてる訳じゃないから。周りの人たちにも言っておかないと。皆さん! 断じて俺はミヤモト君をイジメて泣かせた訳ではありませんからね!」

「うわあ! やめろよおお!!」と俺を制止しようとしてくるミヤモト。

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

 

 妙にリアリティのあるいじめ描写が「これ、本物の陰キャがなろう小説を書くことでいじめられた鬱憤を晴らしてるんじゃないか…?」と話題を呼んだ作品です

 

マサツグやミヤモトという日本っぽい名前ばかり並んでいますが、これはなろうでも主流の「学校のクラスまるごと異世界召喚」という設定だからです。ミヤモトは元の世界でのいじめっ子で、カーストの最底辺だった主人公のマサツグはそいつにいじめられていたんですが、異世界に召喚されてチートスキルを得ることで2人の立場が逆転します

 

この作品は本当に好きなので他の文章も紹介しようと思います

 

「なんだよ、可愛い子連れてるじゃねーか。しかも3人とか、マサツグには似合わねーんだよ! おら、3人とも俺に寄越せ。文句ねーだろうな? ねえ、君たちもこんな奴より俺のほうが良いだろう?」

そう言って猫撫で声で少女たちに手を伸ばしたのである。

こうやってかつて学校でも彼氏がいるいないに関わらず、そのルックスで可愛い女性たちを食い散らかして来たのだ。

俺はすぐにそれを止めようとする。

・・・だが、そんな必要は全くなかった。

「ご、ご主人様ぁ・・・気持ち悪い人が近寄ってきます・・・」

「え?」
ミヤモトが何を言われたのかわからず、笑顔の表情のままで固まる。それはかなり間抜けな光景だった。

「マサツグ様、何なんですか? このゴミは? ゴミが私たちに話しかけてくるなんて、今日はおかしな日ですねえ」

「なあっ!?」
エリンの辛辣な言葉に、ミヤモトが口をパクパクとした。

シーも口を開いた。
「蛆虫みたいだからーあんまり私たちの視界に入らないようにして欲しいのー。視界に入るだけで不快なのー。マサツグさんさえ見えていればそれでシーは十分なのー」

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

 

全編こんな感じで展開します。いじめっ子にはチートスキルで復讐を果たし、どんな強敵が出てきても「やれやれ…」と手を抜きながら勝ち、作品中でも絶世の美女とされる女の子に惚れられまくり称賛されまくり

 

まるで僕が小学校の頃に寝る前にしていた妄想と全く一緒です

 

誰も正確なタイトルを覚えておらず「きのう更新されたマサツグ様がヤバくてさ~」という感じで『マサツグ様』と畏敬を込めて呼ばれるこの作品、実は更新がぱったりと途絶えた時がありました

 

そんな時ファン達は口々に「きっと現実世界のミヤモトに小説がバレたに違いない…」とささやき合ったという微笑ましいエピソードがあります

 

そんなマサツグ様もちゃんとその後なろうにカムバックし、人気もあったので書籍化されています

 

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

 

もちろん僕も購入しましたが、この書籍版には重大な欠点があります

 

それはミヤモトの存在がまるごと無かったことになっていることです

 

他にも全体的に描写がマイルドにされています。おそらく書籍化の際に偉い人が「さすがにこれを商業出版物として世の中にリリースするのはマズすぎるだろ…」という判断をしたんだと思います

 

確かに読者に致死性のショックを与える劇物のような小説ですが、我々マサツグ様ファンからすると戦時中の軍の検閲なみに非道な行為です。しょうがなく枕を濡らしてweb版を読み返すしかありません

 

未読で『魔法科高校の劣等生』が好きだった人にはぜひ読んで欲しいですね。5行おきぐらいにヒロインやモブから肯定され、無双しまくる快感の波状攻撃のような内容に脳がノックアウトされるはずです

 

 

おわりに 

という訳で5つのなろう小説の名文を紹介してみました。「こんな有名どころ全部知ってるんだが?」となる人もいると思いますが、まだまだなろうには手付かずの自然のような素晴らしい文章がたくさん眠っています

 

他の名文を紹介したり、最近のなろうの傾向についても触れたいと思うのでまたこのテーマについては記事を書くつもりです

 

なので今回「また読みたいな~」と思った人は次回の更新もぜひチェックしてみてください

 

ではまた次の記事でお会いしましょう

 

超絶表現のグルメ漫画、さぼリーマン飴谷甘太朗を君は読んだか?

 百花繚乱のグルメ漫画

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今はグルメ漫画戦国時代。あらゆる雑誌で食をテーマにした漫画が連載されています。学校で、職場でそして異世界で、サラリーマンが、女子高生が、そしてエルフや女騎士が食べて食べて食べまくる、そんな時代になっています。クレヨンしんちゃんの野原ひろしカイジのトネガワやハンチョウもこの流れには逆らえないようです

 

そういったたくさんあるグルメ漫画の中で異彩を放つ、『さぼリーマン 飴谷甘太朗』を紹介していきたいと思います。ちなみにこのマンガの原作の方はトネガワとハンチョウの原作も担当してらっしゃる萩原天晴さんです

 

さぼリーマン 飴谷甘太朗(1) (モーニングコミックス)

さぼリーマン 飴谷甘太朗(1) (モーニングコミックス)

 

 

主人公はクール系メガネ男子。外回りの営業の仕事なのですが、きっちり仕事をした後の余った時間でスイーツ探索(つまりサボり)に勤しむというナイスガイです。まずは百聞は一見にしかず、度肝を抜かれたシーンを見ていきましょう

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 これを見てもらえば分かる通りとてつもなくシュールです。おしるこに口をつけたとたん滝に打たれる修行僧のように頭から汁が降り注ぎ、その後スライムに捕食されて消化された人みたいに跡形も無く消えてしまいます。残ったのはおしるこで作られた主人公の顔。この表現を見た時シュールすぎて度肝を抜かれました。欠点を言えばうまいのかまずいのかよくわからないところです。ちなみに主人公のメガネが餅で表現されるという小ネタが挟まっているのが地味に好きなポイントです

 

孤独のグルメなどのように落ち着いた感じでおいしさを表現するリアル系や、逆に「こいつメシに媚薬でも盛られてんのか?」と思うくらい恍惚とした表情でおいしさを表現するオーバーリアクション系、幅はありますが食べた当人のリアクションで表現したりするのが今の主流だと思います。そしてこれは食戟のソーマなんかに近い、食べた人の心象風景を全力で表現するファンタジスタ系のグルメ漫画です

 

心象風景タイプの表現のはじまり

 

食べた人の心象風景でおいしさを表現するのはおそらくアニメ版のミスター味っ子が源流の1つになっていると思います

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とにかく表現がオーバーで、基本的に料理は光を放っています

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また、料理がうまい場合はとりあえず口からビームを出します

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 時にはマーライオンのように水を勢い良く出します

 

とにかくビームを放つグルメアニメですが、この作品の監督はロボットアニメ界の重鎮である今川泰宏監督。演出がブッ飛んでいることで有名な人ですが、おそらくロボットアニメ的なセンスでグルメ漫画を表現してしまったのでビームが頻繁に放たれることになったのでしょう

 

他にも

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料理を食べた人がスターを取ったマリオになったかのように光り、穴という穴からビームを出しています

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どう見ても薬物使用の疑いがある、回転寿司のレーンが七色に光る表現です。東南アジアに入り浸るバックパッカーが焦点の合わない目で「この前回転寿司に入ったら七色の寿司が流れててさ~」とか言ってそうです

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そして食べた人は寿司でサーフィンを始めますたぶんこれを読んでいる人は意味が分からないと思いますが大丈夫です。僕もよくわかりません

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また、料理のうまさに空中浮遊しながら移動し、メシをかっこむシーンもあります。ダルシムや麻原彰晃レベルの大道芸です

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最後はやっぱりビーム。大阪城が浮遊&崩壊して和風のラピュタみたいになっています

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そこから大阪城が急に巨大な人型に変身。原作がグルメ漫画であることを忘れて完全にロボットアニメになっています

 

とまぁこんなシーンがいっぱいありすぎて紹介だけでブログ2~3記事になってしまうのでこれでやめておきますが、こういったグルメ漫画でのブッ飛んだ心象風景の表現のルーツはここらへんにあると思います

 

シュールさに全振りした心象風景の表現

 

という訳でまたさぼリーマン 飴谷甘太郎の話に戻ってくるのですが、こちらの漫画も負けていません。それどころかシュールさに関しては他の追随を許さないパワーがあります

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主人公がきんつばを食べた時のシーンです。相変わらずうまいのかまずいのかよくわからないですがきんつばを通過して自分自身がきんつばになってしまいます。超絶シュールですが、つまりオタクが言う「きんつばがうますぎて完全にきんつばと化したw」みたいな感じだと思います

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いちごミルク金時白玉の回ですね。口にした瞬間いちごと小豆と白玉がスイーツを使ってカーリングを始めます。たぶんこの左の文章、画像を見ずに読んだら「????」と混乱してしまうと思います。ちなみに他では見ないタイプのこのシュールさ、マグリットやダリあたりの影響もあると思いますので貼っておきます

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シュルレアリスムの代表的な画家であるマグリットも後世日本のグルメ漫画に影響を与えるとは思っていなかったでしょう

そしてさぼリーマン 飴谷甘太朗は言語センスも抜群です

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肉付きのいいイチゴを「いい筋肉」と表現するこの斜め上のセンス。これはバキで恋人への消えない思いを「歯痛」と表現した時以来の斜め上っぷりです。この特殊な言語感覚からもうまいのかまずいのかさっぱりわかりません

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ちなみにバキのシーンはこれです。ロマンティックさがマイナスに振り切ってるセリフに「うれしい……」と応えるヒロイン。完全に脳筋系のバカップルです

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他にもこの「究極完全パウンドケーキ待機状態」など、どう考えても一生やらないであろうアクロバティックなポーズなのに「うん…確かにこの格好は究極に完全にパウンドケーキを待ってるポーズだ…」と納得してしまう言葉のパワーがあります

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このページなんかはキレたフレーズの玉手箱みたいなものですね。全ての言葉が冴え渡っています。この中だと「レッツゴー大納言…!!!」がお気に入りで、僕自身もあんぱんとかを食べる時に別に大納言あずきじゃないのに使ってしまいます

 

 

 

おわりに

と、まぁこのように素晴らしいセンス超絶シュールな心象風景を描いたナイスなグルメ漫画『さぼリーマン 飴谷甘太朗』ですが、残念なことに既に連載は終了しています(未見ですが今ドラマもやってるようです)

 

ただ、全2巻なので、サクッと読めますし何よりこの記事で紹介したシーンはごく一部なので本編のめくるめくシュールなグルメ世界をぜひ味わって欲しいですね

 

それにこのシュールな部分が無かったとしても主人公のキャラがめちゃめちゃ立ってますし、コメディタッチで描かれる人間模様もいい感じで普通に漫画として面白いです。また作中で出てくるスイーツは全て実在するものなのでグルメガイドとしても使えるという実用的な一品です。

 

甘太郎と同じものを食べて「レッツゴー大納言…!!!」と呟けばあなたの意識もすぐに亜空間へ旅立つことができるでしょう

 

ではまた次の記事でお会いしましょう

 

さぼリーマン 飴谷甘太朗(1) (モーニングコミックス)

さぼリーマン 飴谷甘太朗(1) (モーニングコミックス)

 
さぼリーマン 飴谷甘太朗(2) (モーニングコミックス)

さぼリーマン 飴谷甘太朗(2) (モーニングコミックス)

 

2次元好きのオタクが初めて地下アイドルのイベントに行った話

地下アイドルってひょっとしてヤバいの?

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この間「地下アイドルはヤバいよ…」という話を色々な人から聞いてしまい怖くなってちょっとぼかしつつTwitterで↓のようなことをつぶやきました。

もちろん同意してくれる方もたくさんいたんですが、一部の地下アイドルにハマっているオタクたちから文句を言われまして

「は?お前は見たのか?ソースを出せ!嘘だ!嘘だッ!

ひぐらしの雛見沢症候群になってしまった人

「ま、俺が推してる◯◯ちゃんは、まだコウノトリが赤ちゃんを運んでくると思っている純粋な子だけどね」

人前で露出の高い格好で歌い、金を取って握手をするような女の子を純粋だと信じ切ってしまう素直な人

コポォ…アイドルは…処女…コポォ…

とオタクを通り越してクトゥルフ神話の邪神みたいになってしまう人

などなどたくさんの苦情を受けた上に

「お前は地下アイドルの真実“トゥルー”を知らない…!」

と地下アイドルがたくさん出るイベントに強制連行されることになってしまいました

行くぜっ!地下アイドルイベント

イベントの会場に着くとオタクが行列を作っていました

ちなみに場所は皇居の近くだったんですが、オタクの集合体が禍々しい瘴気を生み出していて、まるで天皇を呪殺するために集まった呪術師のような感じでした

とは言っても若い大学生くらいのオタクも多く、小綺麗な感じの人もたくさん見かけたので

「自分が想像してたよりも普通の人もかなりいるなぁ…」

と思わずつぶやいてしまいました

するとすかさず同行してくれたオタクのAさんが説明に入ります

握手やチェキという接近イベントがあるので、アイドルのオタクはその他のオタクに比べて身だしなみに気を使うことが多いんですよ

確かに僕や僕の周囲にいるような、とらのあなの同人誌コーナーで、えっちなサンプルを血眼で吟味するだけが生きがいようなタイプのオタクはほぼ見当たりません

それどころか女性ファンの姿すらチラホラ見当たります

見た感じファッションやメイクも推しのアイドルに寄せているようで、女性声優やラブライブのイベントでもこういった女性を見かけましたが、アイドルが女性にとっての憧れの対象になってて、一種のロールモデルになっているのだと思います。

ちなみにイベントの料金は当日券で3000円。8グループ観れるのでお手頃な価格だと思いました。

いざライブ!

実際ライブが始まると「タイガー!」「ファイヤー!」と謎の叫び声が聞こえます。

「うわなにこれ…」とビクビクしながらこの初体験を味わっていると、オタクのAさんが解説を入れてくれます。

「これは地下アイドル現場だと必ず行われる『MIX』というやつですね。他にも『うりゃおい』『PPPH』『ふっふ~ふわふわ』なんかがあります」

ただオタクが叫んでるだけなのに必殺技みたいに名前つけすぎでしょ!と思ったんですが、口には出さず適当に「へぇ…深い…」とその場をやり過ごしました。

ちなみにオタクたちがホラー映画のクリーチャーや、座敷牢に閉じ込められてるタイプの人みたいに激しく奇妙な動きをしてて、それにも驚いたのですが、ああいった動きにも1つ1つ名前が付いてるんだそうです。

途中で推しがいるグループが出たのか、持ち時間の20分ぐらい延々と「ア゛ーーーーッ!!◯◯ちゃんかわいい!!!」と叫んでいる人がいたので僕が顔を青くして震えていると、オタクのAさんが「ドルオタは推しの娘が出た瞬間にIQが8ぐらいまで下がるんですよ」とフォローを入れてくれました。

そんなこんなで地下ドルのライブを歌も踊りもけっこう楽しみ、最後の方は僕もサイリウムを振ってノっていました。

オタクのAさんに「どうでしたか?」と感想を求められたので「いや~楽しかったですよ。ただみんな歌がけっこう下手なのと、なぜかユーロビートの曲調が多いと思いました」と答えると、「歌が上手いとオタクには引かれるんですよね。やっぱり自己肯定感が低いオタクは心の底で自分が見下せる女を求めてるフシがあります。あとオタクは音楽を理解するセンスが壊れているのでユーロビートでしかノれないんです。」と爽やかな笑顔で答えてくれました。

待ちに待った物販

「ライブも終わったしメシでも行きますか?」と撤収モードになっていると「何言ってるんですかッ!物販に行かないなんて今日来た意味ゼロですよッ!」と激しく怒られました。

物販はもちろんアイドルのグッズも売ってるんですが、握手ができたりチェキが撮れる接近イベントがいろいろな理由でメインらしく、それはアイドルと直に触れ合えるオタクとしても、ごっそりここで稼げるアイドル側としても物販こそがメインらしいです。

「じゃあ記念って意味でも握手してチェキるか~」と軽い気持ちでオタクのAさんが推してる娘の列に並びます。

しかし並んでるうちに「ってかそもそもファンでも何でもないし何話そう…」と不安が芽生えてきます。

そしていざ自分の番が来た時「アッ…アッ…」となってしまいましたが、ぎゅっと手を握って笑顔で「どうしたの~?今日は初めて?」と話し掛けてくれます。

さすがにコミュ障の僕もその優しい対応にようやく話せるようになり、最後の方は調子に乗って「初めて生でアイドル見たんだけど、ワンオクのライブより良かったよ」とかワンオクのライブなんて行ったことないのに超適当なことを言ってしまいました。

いや~、これは危ないですわ。

僕は訓練されているのでドハマリはしませんでしたが、自分が応援してるアイドルのステージを見て、握手できてお話できる。

これはそこら辺の弱いオタクだと簡単に「ガチ恋した…」とか言いながらコロっといってしまいそうですね。

オタクのAさんもニヤニヤしながら「どうでしたか?オタクは普段女性と触れ合う機会がゼロで、なおかつ好意的に話を聞いてくれる女性も生活圏の中に皆無。なのでこういった接近イベントを経験すると、麻薬中毒患者のようにアイドルとの触れ合いを渇望するんですよ」と言ってきます。

興が乗ったのかさらにオタクのAさんが「2次元のアイドルが好きな人ほど接近イベントがある地下アイドルにハマる素養があると思います。アイドル好きには単にアイドルという神格化された存在が好きだったり、推している自分が好きだったり様々な理由がありますが、2次元では決して得られない肌のぬくもりや、自分の話に即レスしてくれる肯定感と速度感があるので、もうただのデータで構成された女なんかには戻れない人も多いですよ」と興味深い話を続けます。

「なるほど…。一度生身の女に直に触れてしまうとマウスクリックやスマホタップでしか干渉できない女には戻れない…。オタクはやっぱり強がってはいても、結局データの女よりタンパク質の女なんですね…」と美味しんぼのカレーの話を思い出しながら適当に相槌を打っていきます。

ちなみに僕が思い出してた美味しんぼの話はコレ

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ちなみにチェキも撮って、チェキにはアイドルからのメッセージが書かれるのですが、僕の会話も顔も一切褒める所が無かったのか服装タイプすぎ♡」と書かれていて、どうにかしてオタクを肯定しようというその心遣いに泣きました。

オタクなんてちょろいので、女の子が「えー!すごい!酸素を二酸化炭素に変換してるとかすごすぎるよ~!」と言って普通の人は皮肉だと捉えることでも、女の子から褒められることなんて無いので「いやぁ…それほどでも」 と赤面しながら真に受けちゃったり、「お前こそが俺の酸素!!」アスペみたいな返しをしたりすると思います。

おわりに

という訳で地下アイドルイベント楽しかったです。

こりゃハマる人いるな~。と納得しまくりでそりゃ「前田敦子はキリストを超えた」とか「山口百恵は菩薩である」とかアホなことを言い出す人も出てくる訳ですな、って思いました。

しかしそういう魅力的な側面がありつつもそばに深い闇が横たわっているのも事実。

どこぞの地下アイドルがオタクと繋がって妊娠中絶して、激怒した事務所から契約解除されたニュースが流れたり、ドキュメンタリーで『手ブラチェキ』などのえっちなお店まがいのサービスが放映されたり、表に出てる情報だけでもその闇の深さは計り知れないです。

こういうグレーゾーンの楽しみだからこそ、用法用量をよく守って適度に付き合ってゆくのが正しいのかもしれませんね。

 

 

 

 

マックはスマイル0円をやめろ

 

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僕が外食をする時に一番わくわくする時間、それはメニューを見ている時だ。

みなさんもそうに違いない。「このハンバーグおいしそう…!」「あっ!この前無かった新メニューだ!」どの飲食店に行ってどんな文字列を見ても胸が躍るし、これから自分が料理を食べる姿を想像すると、自然と口の中に唾液があふれてくる。

しかし僕が唯一許せないメニューが1つだけある。

それは「スマイル ¥0」という名前のメニューだ。

笑顔はタダじゃねぇ!

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この「スマイル ¥0」という文字列を見るたびに悲しくなって泣いてしまう。

何故かと言うと店員の胸の中を想像してしまうからだ。

今では僕もすっかりコミュニケーション弱者だということが分かったので諦めてしまったが、昔は一念発起しコンビニでバイトをしてみたことがある。

こういった客商売とは不思議なもので、客なんて一切来て欲しくないのに自分の本心とは全く逆の文句、つまり「いらっしゃいませ!」と言わなければならない。

「来るな来るな来るな!俺の勤務時間に来た客は生きて帰さない!!!」と念じているのにも関わらず無情にも客は続々とガリガリ君を買いに来る。

そして「ラッシャッセー…」と「一応『いらっしゃいませ』と言ってますよ」みたいな感じで抑揚のない発声をするのだ。

また、退店時には「ありがとうございます!」と言わなければならない。

本心では「お前が来たせいで余計な仕事が発生してしまった!二度と来るな!不幸が訪れろ!今買ったガリガリ君を食ってる途中で地面に落とせ!!」と客の背中に呪詛を送りながらも頭を下げて「アッシター…」と抑揚のない声で見送るのだ。

こんな勤務態度だったので僕は3日でコンビニをクビになったが、ここまで極端ではないとはいえ、誰しも客商売に従事している者ならば多少はこんな思いを抱いた経験があるのではないだろうか。

本心と業務上の命令が真逆で、心と身体が引き裂かれるような苦痛に襲われるのだ。

 ちなみに僕がコンビニを3日でクビになるほど自他共に認めるコミュニケーション弱者であることは前回の記事が詳しい。

subnacchi.hatenablog.com

 コミュ弱者が現代社会で生きるのは辛い。負の瘴気をまとっているのでまともな人間関係を築くのは不可能だし、歩いた後は草木が枯れ、頭上を飛ぶ鳥が突然落ちてきてたり、墓場の近くを通ると「お前も早く来い」と死者たちの声が聞こえてくるのだ。

閑話休題

おそらくマックの店員も、できれば笑いたくないのに「スマイル下さい」と言われたが最後「俺は会社の命令で笑うが、この後お前が一度として笑えないような人生を送ることを願っている」と思いながら表情だけ取り繕っているに違いない。

もしイキった中高生が集団で「お姉さんwwスマイル1つwお持ち帰りでw」とへらへらしながら言ってきても「申し訳ないんですが、スマイルは店内限定の商品となっておりまして…」と大人の対応をしながらしょうがなく笑ってあげるだろう。

しかし「あ~、ちょっと笑顔足りないな~wスマイルLサイズでよろしくwww」などと続けてきたらどうだろうか?

「ご一緒に拳はいかがですか?」と言いながら顔面に鉄拳をブチ込みたくなることは間違いないだろう。

小生意気なクソガキがスマイルを注文してきて笑ったら「う~ん、100点満点で3点。ちょっとこの店舗は従業員の教育のレベルが低いかな」と言い出したらどうだろう?

ドナルドの格好をした猟奇性犯罪者に誘拐されてスナッフビデオを撮られろ!」とクソガキの顔面がケチャップまみれになるまで殴りたくなってもしょうがないと思う。

1円玉を拾うのに1円以上のエネルギーを消費するという話もある。

自分の本心に逆らって表情筋を動かし、楽しくもないのに笑う、その行為のコストは0ではない。すなわちスマイルは0円ではない。スマイルプリキュアのDVDも税込み3990円だし、スマイルは0円でないのだ。

現代におけるサービス業従事者は社会の奴隷なのか?

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そもそもマックで働いてる人はみんなこの仕事がやりたくてやりたくてたまらなくて働いている訳ではない。

生活するためにお金が必要で、しょうがなく自分の時間を切り売りしているのだ。

生まれた頃からポテトが揚がる時の音を子守唄にして育ちました。小3の頃には世界各国のバンズの直径を暗記し、これまでマックで働くために一生懸命勉強してきました。ちなみに趣味は家庭菜園で、今栽培しているのはピクルスです

なんて人は存在しないし、たとえ存在しても異常者なので面接で落とされる。

もし幸運にも「採用。じゃあ明日からこの店舗に行って」と言われても、行った場所が精神科だったりするに違いない。

したがって通常の人は勤務時間以外が本当の自分。だからなるべく働いている間は消耗したくないのだ。

ここで「スマイル0円」という文句への懐疑がまた立ち上がってくる。

笑いたくもないのに業務命令で笑うのは、労働者にとって多大なコストがかかるというのは前の章で説明させてもらった。

その心身への負担は、男性向けのコンテンツに頻繁に登場する、恥ずかしい写真を撮られて脅され、むりやり笑顔でピースさせられるヒロインに近いものがある。

しかし企業は傲慢にもスマイル0円を要求してくる。

なぜこういった現象が起こるかというと、企業や経営者は、正社員ならば月給を、アルバイトならば時給を払えば定額使いたい放題。HuluやAmazonのプライムビデオみたいなものだと思っているのだ。

現在の日本のサービス業従事者は経営者に比べ立場が弱いし、出る杭は打たれるという国民性もあってなかなか「俺はなるべく働かないぞッ!」という高潔な意志を貫くことが難しい。

なので苦渋の思いで笑顔を作りながら「ありがとうございます!」と発声するのである。

皆がしぶしぶやっているのに恥ずかしげもなく「スマイル0円」なんて謳い文句を掲げているのである。

こんなキャッチコピー、何のことはない。奴隷商人と同じで「へっへっへ、旦那様。うちには笑いたくないのに笑うようにしつけた行儀の良い奴隷がたくさんいますぜ」と全く同じ意味なのだ。

ちなみにこの耐え難い苦痛を我慢するコツは「俺は今表情筋を動かしながら声帯を振動させているだけだッ!」と自分に言い聞かせることで、これを行うことで心と身体がバラバラになって爆発四散することを防ぐことができる。

それでも不遇な人生に勝つ

では我々は奴隷のままなのか。決してそれで終わりにしたくはない。まずは僕がペイントで2秒で作ったフローチャートを見てもらおう。

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大体の人がゲームオーバーにたどり着いたと思う。見出しが詐欺で申し訳ないが、特に逆転する方法は無い。

今回の人生は運が悪かったということで、Amazonで練炭を購入したり、富士の樹海へ旅立った方が建設的だと思うし、廃人になるのと引き換えに快楽を得るタイプの薬品を使って現実逃避するのもいい考えだと思う。

こういった行動が反社会的だと思うならば、合法的な方法、例えばアニメの美少女に耽溺したり、イケメン同士が裸で絡み合うタイプの妄想を一生し続けるなどの方法を取っても良い。

苛立ちを何とかするには、穏やかに死んでいくしかないのだ。

話がネガティブな方向へ傾いてしまったのでお詫びと言っては何だが、接客業にありがちなイカれた客へのメンタルコントロール術を伝授しよう。

クレームに悩まされる労働者は多い。

マックだったら「ポテトが冷めている」「注文を取る時のお前の態度が気に入らない」なんかが定番だろう。

さらにレベルが頂点まで達したイチャモンまでいくと、「これのどこがハッピーセットなんだ!俺の考えるハッピーセットはパンの間に万札が挟まってたり、紙コップのフタを開けると砂金がなみなみと入ってるやつで、これじゃ全然ハッピーにならないんだが?」という理解不能なものになる。

対処はだいたい相手の気が済むまで平謝りすることだが、この際にメンタルが強靭でないと心が折れてしまう可能性がある。

そこでメンタルを支えるコツを伝授しよう。表情と動作はすまなそうな感じを全力で出しつつも心の中では別のことを考える。

「俺はこうしてマックのレジなんかをやっているが、それは仮の姿。将来はなろう小説で一発当てて富豪になる大作家様なんだぞッ!」や「描いた絵がpixivで10users入りしたことありますwww」「Twitterでフォロワー127人もいます。ツイートがやらおんに掲載されたこともありますし、崇め奉ってもいいですよ」などの、多少しょっぱくても自分を肯定してくれる事柄を祝詞のように唱えることだ。

これで少しでもあなたのメンタルへのダメージを軽減できれば幸いだ。

おわりに

これで僕がマックはスマイル0円をやめろと主張する理由は分かって頂けたかと思います。

そもそももうこのフレーズが定番化してるので逆にスマイル1000円とかにした方が話題になると思いますし、「は?スマイル?あんたは1000円だよ。…彼氏だけには0円だけどね…///」とか言う店員が現れたらそれこそ話題性かなりあるはずですよ。

という訳で今日の記事は終わりです。

また次の記事でお会いしましょう!

 

 

 

コミュ障は松屋以外に行くな

 

 

人生で大切なことは全て松屋で教わった

突然だけれど僕は松屋が世界で一番好きだ。

マックよりもサイゼリヤよりも吉野家よりも、イオンのフードコートよりも松屋が好きだ。

それはなぜかと考えると、松屋がコミュ障のために特化した作りになっていることが理由として挙げられる。

松屋はチェーン店であり全国どこでも共通したサービスが受けられ、不測の事態に陥ることが少ない。

また食券制を採用しているため、人間相手に注文や会計をする際に発生するコミュニケーションコストが大幅にカットできる。

生命を授かった時から「ウェ~イwウェ~イwww」と発声し、以後は少ないボキャブラリーながらもノリと人脈だけで全てを解決してきたコミュニケーション強者にはこれが分からないかもしれない。

しかし、人間にはヒットポイントやマジックポイントのように、生まれながらにしてコミュニケーションポイントというものが間違いなく存在し、その上限は人それぞれ全く違うのだ。

コミュニケーションポイントが生まれつき高い人間はいくら人と接しても全く尽きることがなく、厚顔無恥にもFacebookで「最高の仲間たち!」と言いながら海辺でバーベキューしている写真をアップする。

もしこれを僕たちコミュニケーション弱者がやったとしたら最悪即死、そこまではいかなくても寿命が30年は縮み、余生はよだれを垂れ流しながら鉄格子の付いた病院で送ることになってしまうだろう。

ちなみにコミュニケーション弱者のお手本は、水木しげるの漫画に出てくる、いつも犠牲者になる陰気なメガネのキャラである。

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常に負のオーラを発し、下を向いて歩き、非常に少ないコミュニケーションポイントながらも、次の日も生きれるように毎日人との関わりを最小限にするのに命を懸けている。

そしてコミュニケーション強者が現れると、外敵が侵略しに来た森の小動物のようにいそいそとその場を全力で逃げ出すのだ。

コミュ障が松屋に行くべき理由その1『チェーン店で不測の事態を避ける』

まずコミュニケーション弱者が一番避けなければいけない飲食店は何かと言うと、ズバリ個人経営店である。

入るやいなや「外寒かったでしょ?」とフレンドリーに接してくるおばちゃんや、「ここらへん住んでるの?」などと聞いてくる店主は全てコミュ弱者にとって敵である。

コミュ弱者にマニュアル以外の会話をさせるのは小学生にフェルマーの最終定理を証明させるような無理難題で、弱気に「アッ…ハイ…」などの定型句でしかその場を取りつくろえない。

ガンガンいこうぜ!といった感じで押しが強く、こちらの反応が鈍くても一方的に話しかけてくるタイプのNPCだと、コミュポイントが0になってヘロヘロになり、コミュポイントの回復を待つため次の日は有給を申請することも珍しくない。

さらに個人経営店は、松屋のように店の外やホームページにメニューが掲載してあるところが少ない。

つまり入って何が出てくるかは一種の博打のような側面があるのだ。

「おっ、隠れ家的ないい雰囲気のメシ屋あるやんけ~」

と入ったが最後、異臭がする得体の知れない料理が出てきて「これはドラクエの毒の沼地をイメージしたコラボメニューか?はたまたナウシカの腐海のコラボか?」という悲惨な目にあってしまう可能性もある。

そこまではなくても普通にマズい料理が出てくることは割とあり、しかもマズい場合なぜか高確率で店主がフレンドリーで「どう?うちの自慢のメニューは?」と聞いてくるパターンが多く、その場合コミュ弱者は悲しいことに「アッ…ハイ、ウマイッス…」と引きつった笑顔で答えるのだ。

もちろんこの場合帰ったら鬼神のような表情で食べログに低評価のレビューを投稿したり、Twitterで「この店マズすぎて一口食べて帰ったwww」などと架空の武勇伝を書き込むことは絶対に忘れない。

幸運にもあまり話しかけられず、味も良い個人経営店に当たった場合を考えてみよう。

不満はないためいいペースで通う。しかしある一定期間通うと絶対に出る言葉がある

それは「いつもありがとうございます」という言葉である。

この言葉はコミュ弱者にとっては滅びの言葉「バルス」と同義であるため、目をやられたムスカのように退店して二度とその店には訪れない。

コミュ弱者は自意識も強いため店員に認知された時点で食事の場所の候補から外してしまうのだ。その他大勢のモブとしての認識から1人の個人としての認識に変わることは耐え難い苦痛である。

ここまで読んできたあなたには理解できてるかもしれないが、個人経営店はどのルートを辿っても悲惨な運命が待っている。

もちろん認識されないように、毎回整形して行く、「ここらへんに住んでるの?」と聞かれたら「いいえ、火星です」などアクロバティックな回答をして会話を拒否するなどの手段があるが、通報される可能性も格段に上がってしまう。

そもそもこんな大胆なことができたらコミュ弱者ではないのだ。もうあなたを優しく迎えてくれるのは松屋しかない。そのことを胸に刻んでこの先を読んで欲しい。

コミュ障が松屋に行くべき理由その2『文明の利器、券売機の存在』

券売機は神の機械である。

人間を介さずに注文、会計ができる。自他共に認めるコミュ弱者の僕は券売機が無かったら今まで生きながらえていなかったかもしれない。

普通の飲食店だと店員を呼び、注文したいメニューを発声するというプロセスがあるが、コミュ弱者にはまず店員を呼ぶところからハードルが高い。存在感が希薄で声も通らないため店員がこちらに気付かないのだ。

そのため手を上げて顔を真っ赤にして震えながら「スッ…スミマ、スミマセェン…」と叫ぶのである。もうここでコミュポイントは尽きかけ器の底が見え始めた状態だ。

店員を呼んでもなかなか気付かれないぐらいならまだ良い。入店しても気付かれないため「いらっしゃいませ」はおろか水も出てこない。

常日頃から波風を立てないように、植物のような生き方をしているせいで入店の際に音も無ければ気配も無いという、まるで忍者のような存在へと成り果ててしまったのだ。

ようやく苦労して店員を呼び注文するところまでこぎ着けても、まだまだ苦難はある。コミュ弱者は発声が明瞭でないため何度も聞き返される。

しかも注文したいメニューが「秋の味覚!とろ~り3種のきのこのふわふわオムレツ」なんていうファミレスでよくあるタイプの名前だった時は最悪だ。

何度も聞き返されながら頑張って正式名称を伝えても店員が「はい、きのこのオムレツですね」と略称で確認されてしまい、恥ずかしさでその場で爆発したい気持ちになってしまう。

このように注文までで恐るべき量の仕事をこなさなければいけないことが分かっていただけただろうか?

コミュ弱者の中にはこの複雑な仕事を果たせず、料理が来る前に餓死して白骨化し、他の人が話しかけても「へんじがない、ただのしかばねのようだ」と返すだけの物体となって永劫に飲食店のカウンターに残り続けているケースもあると聞く。

そして恐るべき幸運で注文に成功しても、次は会計という大事業が待っている。

ここでもコミュ弱者は注文時と同じような困難に悩まされるのだ。いっそのこと食い逃げをした方が捕まる可能性を考えても楽なんじゃないか?辛い思いをしすぎてそう考えてしまったことも1度や2度ではない。

しかし松屋には券売機があり、お金を入れてタッチパネルを操作するだけでこの煩雑な作業から開放されるのだ。

ボタンを押すだけで洗濯ができる洗濯機、ボタンを押すだけで米が炊ける炊飯器、タッチパネルを操作するだけで注文と会計ができる券売機とはこれらに匹敵する革命的な発明だ。

僕はその偉業を称えるために毎朝起きたら券売機を発明した人の方角に手を合わせて祈っている。

「こんな弱者の僕を今日も生かしてくれてありがとう」

と、明瞭でない、店員には聴こえないか細い声で祈っている――

おわりに

という訳で今回はとある人が「松屋はコミュ障にも優しい」と言っていた事に対し、「いや、確かにそれは事実だけどお前の軽い認識とは違う。僕のはもっと根が深い問題なんだぞ!」ということを証明するために書きました。

なので記事を書く前にも松屋に行ってきたんですが、タッチパネルに触れるだけで券売機の暖かみが伝わってきて、牛めしの並をタッチして券売機から聞こえてきた「オカネヲイレテクダサイ」という機械的なメッセージにも母のような慈愛が感じられて泣いてしまいましたね。(ちなみにその後めちゃめちゃATMまでダッシュした)

 

 

 

 

 

 

 

ついに判明、叩かれないための自撮りの極意

 

 

自撮りをアップしたらなんか文句言われてる…。

「女は自撮り貼ればフォロワー増えるんだから楽だよなw」って言われて貼ったんだけど全然増えない…。それどころかいいねもつかないし「かわいいね」って言ってくれる男も現れない…。

自撮りを上げてチヤホヤされたいが、決してブスとか死ねとか言われたくない!

世はSNS戦国時代。手軽に情報発信できるようになったおかげで毎日毎日クソみたいな自撮りがインターネットという下水道に大量に流れ込んでいます。しかし同じ自撮りというクソでも、賞賛されているクソもあるのに対し、ネットの悪意に袋叩きにされているクソもあります。

一体なぜこの違いが生まれるのか、まずは叩かれやすい自撮りに関してタイプ分けをしていきたいと思います。 

叩かれやすいタイプの自撮り

 

1.「はぁ…わたしブスすぎ…」

はい出ました。もはやおなじみ感すらある「ブスすぎてつらい:;(∩´﹏`∩);:」と言いながらキメ顔の自撮りですね。自撮りしてる本人は「ブスすぎ」と客観視できてる風のコメントを付けることで「うおおおおお!これで!私の!自分自身が可愛すぎる!と思ってる!自意識を!完璧に!隠せたあああああ!!!」と思っているかもしれませんが、キメキメの表情、光最大、寝起きすっぴんと言ってる割にはカラコン入れてナチュラルメイクもしっかりとしている、などの情報で見ている側には全てバレています。

コメントでは嘘はつけますが、写真は決して嘘をつきません。

そして自撮りを上げた後は「そんなことないよ~!」とか「いやいや、なに言ってんのかわいすぎかよ」などのコメントを期待し、ひたすら血眼になって傍から見ると「あの人スクフェスやってるのかな?」と思われる勢いでスマホをタップして反応を待ち続けます。

このタイプの妖怪は割と広く知られているので、最近は数を減らしてきているようです。

2.「今日盛れた~w」

「ブスすぎ…」と言っちゃうタイプの逆で自撮りに対して肯定的なコメントを付けるパターンですね。これは堂々としてて個人的には好感が持てるんですが、インターネットは心の狭い人間が大量に存在している危険な場所なので「女性が自分自身の容姿に対して言及することそのもの」がNGです。

いくら容姿の良い人間が「今日ちょっと作画いいかもw」と自撮りを貼っても魑魅魍魎のようなインターネットの住人が「この程度でかわいいアピールとかww」「そんなに承認欲求を満たしたいのかッ!」と上から目線でコメントする様子が目に浮かびますし、「お前の作画より、ナウシカで巨神兵が崩壊する場面の作画の方が上なんだが?」と言葉が通じないタイプのクリーチャーを呼び寄せる可能性すらあります。

いっそのこと「メイクして外に出たら私の美しさでブスが全員死んだwww」とか「めっちゃ行列できてんな~と思ったら石油王が2000人ぐらいプロポーズしてきたwww」などと言いながら自撮りを貼れば逆に突き抜けて人気者になれるかもしれません。

3.「地震大丈夫?」

お前いま自撮り貼る必要あるか???と全く必要性が感じられなかったり、本文と全く関係ないのに貼られる自撮りは叩かれます。今まで「地震大丈夫?」以外で話題になったものだと、「イヤホンこわれたっ( ; ; )」と言いながらイヤホンが全く写っていないキメ顔が貼られたり、「エスカレーター乗ってきた♫」とアヒル口&どアップが貼られたり、思わずブロリーに変身して「無駄なことを…!今楽にしてやる!!」と叫びたくなってしまいます。

4.男のSNOW自撮り

 

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以上のことでよく分かったと思いますが、男のSNOWの自撮りは強盗殺人よりも罪が重いです。絶対やめましょう!

では叩かれない自撮りとは?

まずこれまで見てきたダメなパターンを回避するのが重要ですが、これだけだと「じゃあ結局どうすりゃいいんだよ!?」となると思うので、それについて書いていきます。

1.Instagramを使う

さんざん「これは叩かれるぜ!」と解説してきたものの、あれは主にTwitterだと叩かれることが多く、別のSNSに移ることで解決します。そしてその叩かれないSNSとはズバリInstagramです。

InstagramはTwitterのように常に舌なめずりをして、自分だけは安全地帯から叩ける相手を探して回遊する妖怪もいなければ、Facebookのように交友関係の広さや所得の高さをアピールするための被写体を写真に入れてマウントする妖怪もあまりいません。

それはなぜかというと、全員が空だのメシだの動物だの今日のコーデなんかのしょうもない写真ばっかり上げているので「俺もしょうもない写真ばっかり上げるから、お前もしょうもない写真を上げていいよ」という暗黙の了解がユーザーの間で常識となっているからです。

2.自撮りを他撮りに偽装する

とはいってもやはり「ヤダヤダ!Twitterで私の可愛い自撮りで1万RTいきたい!」と言う方もいらっしゃると思います。1万RTされるかどうかはあなた次第ですが、Twitterで叩かれないで自撮りを上げる方法は存在します。

それは自撮りを他撮りに偽装すること。これは割と古典的な手で、腕を限界まで伸ばしたり自撮り棒を使って撮影した後トリミングし、他撮りだと見せかける方法です。

「友達にいつの間にか撮られてたw」と言いながら貼れば「みなさああああん!!ここには自意識なんて微塵も感じられないでしょおおお!だって人が撮ったんだから!!盛れてないし!修正も!してない!」というアピールができるという寸法です。

そしてここでは更に次の段階に進みましょう。知り合いに金でも払うなりなんなりして自分が納得行くまで他撮りをしてもらいましょう。

それが終わったらその知り合いのアカウントで写真を貼ってもらい、それをRTして「いつの間に撮ったしw」とすっとぼけましょう。この際はちゃんと画像に自分をタグ付けするのを忘れずに。自分のアカウントで貼らなければいいので、脳内で錬成した架空の友人のアカウントを作ってもいいです。

ここまで来るともう完全犯罪。あなたを叩く人間はもはや存在しないでしょう。

3.メインは自分ではないことをアピール

「このアクセを買いました~♡」と小物を写しつつもちゃっかり自分も写ることで「これは!あくまでもアクセが主体で!決して!自分の容姿を!褒めてもらおうなんて!微塵も!本当に微塵も!思ってないんですうううう!!!」とアピールするやり方です。

これは小物と自分の写真上でのバランスが重要で、自分が8割ぐらい写ってるとさすがに見てる側にバレます。そして「◯◯買った~!」と言って商品が一切写ってないなどの愚行はやめて下さい。叩かれやすいパターンの3に該当しますし、何より購入したものの報告なのに写真にはその物体が一切写ってないという、禅問答のようなシュールな状況はネットで暇を持て余したピラニアのようなユーザーの格好のエサになりがちです。

またネタ画像を自分で撮ったり変顔をするのも「メインは自分じゃない!」という言い訳をするのに効果的です。特に容姿が良い人が変顔をすると「こんなにかわいい/イケメンなのに気取らないとか素敵…」と好感度が上がる効果も期待できます。

おわりに

という訳で色々と書いてきましたが、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。これからのあなたの楽しい自撮りライフの助けになれば幸いです。

まぁでもこの記事を書くにあたって色々なアカウントを調査したんですが、あまりにもSNOWが普及しすぎていて、しかもSNOWの補正が劇的すぎてだいたい別人なので「こいつら別人の顔貼ってかわいいとかブスとか何なの…これもう絵に描いた餅じゃん…」と虚無を感じてしまいましたし、連日SNOWのネズミ自撮りを見てしまったせいでミッキーを見ても「こいつもSNOWで盛ってんのか…?」と精神が崩壊しかけました。

色々書きましたが今回僕が一番言いたいことは

男はSNOWの自撮りをするな!!!!

ですね。今日はこれだけ覚えて帰って下さい。

 

 

お母さんといっしょに買うと特典をもらえるラノベを、男オタクをママに仕立て上げて買いに行った話

  はじめに

 先日、ネットをやっていると「このラノベのタイトルひどすぎwwww」みたいな感じで取り上げられていた本があり、「またこのループしてる話題か…。すぐには全体が把握できないラノベは、他との差別化のためにタイトルでキャッチーだったりインパクトを出す必要があり、作者も編集者も日夜知恵を絞ってるんだからしょうがないだろ…」と思いながら開くとそこには

 

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『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』

 

というタイトルが。うん、これはセンス良いタイトルだと思います。長文系にカテゴライズされながらも2chのスレタイやアフィブログのタイトルみたいな臭さが無い上に、JRPG黄金世代を生きたオタクたちに訴求するインパクトあるタイトル。全体攻撃で二回攻撃ってドラクエのはやぶさの剣とブーメランが合体したのと同じですよ?

 

元ネタは90年代に作られたパナソニックのキャッチコピーである『きれいなおねえさんは、好きですか。』だと思いますが、当時の一般男性がこぞって「そんなもん好きに決まってるだろ!!」と叫んでいたのに対し、こちらはオタク男性がターゲットなので「いくら全体攻撃で二回攻撃とは言ってもねぇ…。物理属性の耐性持ちだったらどうするの?やはり無属性魔法攻撃じゃなきゃ!」「お母さんって…さすがに血縁関係はひくわー、やっぱお母さんは年下で血の繋がりが無いみりあちゃんが最高バブ」「俺の好みは次元の狭間の宝箱を開けるといきなりタイダルウェイブで全滅させるタイプのお母さんかな」などとめんどくさいことを早口で言い出す輩がかなりいると思われます。

 

このラノベに対するコメントをいくつか見てみたのですがやはりケチをつけてる面倒なオタクが存在してて、その中で僕が一番好きなのが「ギリメカラに対して無力」です。(※ギリメカラはRPG女神転生シリーズに出てくる敵で物理攻撃を反射するので殴ると死にます。)

 

驚愕のフェア 

 そんなこんなでタイトルも僕的に気に入って「買おうかな~」と思ってたところアニメイトで特典がもらえるキャンペーンがあることを知るのですが、これがまた頭のネジがブッ飛んだフェアなんですよね。

 

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対象商品をお母さんと一緒にお買上げ頂いたお客様にSS入り小冊子をプレゼント!そのフレーズを見た途端40歳ぐらいの派遣社員のオタクが介護中の母親を連れてアニメイトに行く姿が脳裏によぎってボロボロ泣いてしまいました。

 

しかし冷静に考えると、無関係の人を連れて行っても「母親の写真入り身分証明書と戸籍謄本を見せてください」なんて言われる訳がないし、適当に誰かにママになってもらえばいいんですよね。

 

 

せっかくだから特典も欲しいしアニメイトで買おうと思ったんですが、僕はお母さんには愛想を尽かされて連絡を取る方法がないですし、女性の知り合いなんかもいないのでこの特典が欲しければ知り合いの男オタクをママに仕立て上げるしかないんですよ。

 

という訳で知り合いのオタクに「あのさ…明日アニメイトに付き合ってくれない?」とLINEを送ったのでした。

 

いざアニメイトに出陣

フェア開始当日、駅で待ち合わせをしてアニメイトに向かいますが、今回の僕の計画をどう説明したらいいものかと考えてるうちにアニメイトの前まで着いてしまいます。

 

しょうがないので「なぁ…俺のママになってくれないか…?」と切り出します「なんだこのキチガイは?」みたいな表情をした男オタクさんですが、一から順に説明するとようやく分かってくれたようで快諾してくれました。

 

しかしアニメイトの店の前で男オタク同士で「俺のママになってくれないか?」と告白するなんてまさか自分の人生でそんな場面が訪れるとは夢にも思いませんでしたし、BLの中でもかなりニッチなシチュなんじゃないでしょうか。

 

店の中に入りラノベ新刊コーナーに行くとありましたありましたお目当ての本が、さっそくレジに持っていきます。しかしいざ店員を目の前にすると「男はママじゃねーだろ!」とごもっともなツッコミを入れられて特典をもらえなかったらどうしよう…と不安になってきます。

 

勇気を振り絞って「あっ、あの…この本、お母さんと一緒、特典…。この人おっ、お母さん…」と男オタクを指差しながらコミュ障全開で話しかけると「はい、こちらの商品。確かにお母さんと同伴だと特典が付きますね。ただいまお持ちします」とめちゃスムーズにやりとりが終了しました。アニメイトの店員さん、ぐう有能!僕たちは店の外でハイタッチをしてそのまま夜の街へ消えていったのでした。

 

結論

という訳でこれで身をもって証明することができたんですが

「アニメイトの、お母さんと一緒に行くと特典をもらえるフェアは、男のオタクをママだと言い張っても本当にもらえる」

という結論になりました。(噂によると2次元画像や抱き枕でもお母さんと言い張れば特典をもらえるらしいので誰かチャレンジしてみて下さい。)