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パワー・オブ・レズビアン~感覚が時代を凌駕する~『Libido7』レビュー

ゲーム

 

 

 いやぁみなさん、百合っていいですよね。心と心の精神的な絆、揺れ動く感情の機微。今までは他人行儀だった2人がとある出来事をきっかけにお互いの下の名前を呼び合う瞬間とかは本当に最高。僕はこういう時よく思わずガッツポーズをしてしまいますが、涙を流しながらのスタンディングオベーション言葉にならない奇声を発し悶えながら壁に頭を打ち付け続ける、など様々な肉体言語による感情表現をしてしまう方も大勢いらっしゃることでしょう。

 

 今日はそんな繊細で侘び寂びの精神すら感じられる百合とは全くスタイルが違う、「力こそパワー!」と言い出しかねない、言葉にするならば脳筋レズとでも言うべき下品なレズゲームの紹介をしていきます。

 

 と、ここで『Libido7』という20年以上前のゲームについてレビューを始めようと思ったんですが、どう考えても唐突過ぎます。なのでもう少し前置きの文章を書くことにします。

 

 思えば2014年から2015年にかけては、『クロスアンジュ』や『ヴァルキリードライヴマーメイド』など、下品なレズアニメがオタクたちの話題をさらっていった年でもありました。百合愛好家の中でも原理主義者が比較的好みそうな繊細な感情の機微ではなく、インパクト重視の展開や設定安直なエロ推しを軸に視聴者にアピールし、思惑通りネットでも話題になりました。

 

 既存の百合と違い、この2つのアニメは今までの百合のコンテクストを無視したミュータント。以前の機微を重視するスタイルを懐石料理だとするならば、その懐石料理に「ヤサイニンニクアブラカラメ」とコールして全てを台無しにたものが下品な脳筋レズコンテンツだと考えてもらっても良いでしょう。

 

 そして『クロスアンジュ』や『ヴァルキリードライヴマーメイド』などが登場する20年前に、既にそれらを凌駕する下品なレズゲームが存在しており、まさにオーパーツ的存在なのが今回紹介する『Libido7』です。

 

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 はい、かわいいですね。少女漫画チックな絵にピンクを基調としたインターフェイス。文字も女の子が書きそうな丸文字フォントになっていて、ひぐらしが流行ったゼロ年代前半に冷凍保存されたオタクを解凍してこれを見せたら「はぅ~かぁいい…お持ち帰りぃ~☆」とか言いそうです。

 

 そしてここで食事中の方はすぐにブラウザバックして下さい。こんなファンシーな見た目にそぐわず、このゲームはまともなアダルトゲームではなく、レズ・SM・スカトロのシチュしかない、歴戦のマニア向けのゲームです。女性から声をかけられても「悪いな…木星の重力の影響で性癖が歪んじまって」と言いながらバーボンをグイッと飲みつつ葉巻を吹かすような紳士以外にはオススメできません。

 

ここが凄いよLibido7「その1」

◯登場人物が全員バカ

 出てくるキャラは全員倫理観や常識とういうものが壊れている上に、知能に著しく問題がありそうです。ちなみにこのゲームは男性と女性の絡みは一切無く、ひたすら女性同士のパワーレズセックスが行われるので、例えるならばリリアン女学園の偏差値が1ケタで、なおかつ全員大麻をやってるマリみてといった感じでしょうか。

 

例を挙げると

友だちとのパワーレズセックスに耽る主人公。そこに姉が帰ってきて「これは…修羅場かな…?」と思ったら、うろたえたり恥ずかしがったりなどのリアクションを全員がすることなく、自然な動作でペニバンを取り出し3Pを始める姉。「目には目を、パワーレズセックスには更に強いパワーレズセックスを」という掟でもあるんでしょうか?

 

次はやり取りを挙げましょう。

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  はい、頭が痛くなってきましたね…。ちなみにこれはごく一部をクローズアップした訳ではなく、万事がこんなアシッドなノリです。

 

ここが凄いよLibido7「その2」

◯ストーリーが無い

 最近のラノベやアニメで「ストーリーが無い」なんて批判をする人を見かけたりすることもありますが、ああいう「ストーリー部分が希薄」ぐらいの意味じゃなくて本当に無いです。メーカー側自身が「オカズウェア」というジャンルを標榜し、その用途以外の要素を排除しようとしています。そのため起動させたらいきなり回想モード全部解放済みみたいな状況になってて、数クリックでレズセックスにありつけます。今までパワーレズセックスと言ってきましたが、この作品、実はスピードレズセックスかもしれません。「あと数秒で大事な商談が始まるけど、レズセックスが見たい!」という一刻を争うビジネスシーンでも大丈夫なユーザビリティが確かにここに感じられます。

 

ここが凄いよLibido7「その3」

◯とにかく下品

 まずヒロイン全員分のエロシーンにもれなく黄金か聖水、もしくはその両方のシチュがついてきます。しかも中にはアブノーマルなスカトロまであります。賢いみなさんはすぐに「アブノーマルじゃないスカトロって何だよ!」って突っ込むかもしれませんが、こんなゲームのレビューをずっと書いているせいで僕はだんだん感覚が麻痺してきています。

 

 その中でも古参のエロゲーマーたちに、イルミに針を刺されていたキルア並のトラウマを植え付けた「バナナホイップ」をご紹介しましょう。

 

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 はい、というわけでね!今日はエロゲー史に残る「バナナホイップ」を解説していきたい訳なんですけれども!このシチュがどれ位トラウマだったかというと、2016年の現在でも「バナナホイップ」とGoogle検索すると「バナナホイップ トラウマ」とサジェストされるレベルです。

 

 その気になる内容とは…。「まずゲル化剤と牛乳を混ぜた液体で浣腸を行った後、皮を剥いたバナナを直腸内に投入し、その後腸内の蠕動運動を駆使して体内でバナナホイップを生成します。それを終えると肛門から排出し主人公がそれを食べる」というシチュです…。(あまり生々しくならないよう科学実験風のテキストにしています)

 

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ビフィズス菌も活きてます」というセリフが泣かせますね

 

 当時、かわいい絵に惹かれて「このかわいい女の子とちゅっちゅらぶらぶするゾ~」と意気揚々とプレイしたオタクが外観からは予測がつかない、あまりにもハードコアすぎる内容のせいで、三日三晩熱病にうなされたというケースもあったようです。

 

ここが凄いよLibido7「その4」

◯洗脳される

 ここまでレビューを書いてきた僕ですが、あまりにも既存の常識や倫理観に囚われない行動をヒロインたちが繰り返すせいで、だんだんと善悪の基準や、社会規範というものが曖昧になってきています。

 

 通常の百合えっちと言えば絶対につきまとうものがズバリ「背徳感」。つまり「ダメですわ、女の子同士でこんなこと…。いやぁ…お月様が見てる…」みたいな感じのアレです。この『Libido7』の場合はそんな背徳感や淫靡さなど一切なく、「お前はアメリカンポルノか!」と突っ込むくらい開放的に、まるでスポーツのようにレズセックスを楽しみます。おまけにPC-98FM音源により奏でられる軽快なチップチューンが流れているせいで「これが普通なのでは…?」とだんだん洗脳されてきます。

 

 プレイ開始時は「クリックするだけで特殊学級を体験できる新感覚のVRゲーム」「ゲームを媒介にして狂人の脳内と自分の脳内が繋がってしまった感じ」などと毒づいていたのですが、だんだんこのクセの強さがやみつきなってきます。いや、むしろ最高のゲームではないでしょうか。てかどう考えても最高のゲームだアアアアアァァッ!!

 

◯最後に

 という訳で突然20年前のエロゲーをレビューしてみましたがいかがだったでしょうか。ちなみにこのソフトはこんなに尖った内容でありながら、売れに売れてこの会社は自社ビルを持つことになるんですが、その名前が「チビッコビル」という誰もこれ止めなかったのかよ…?という世界への反骨精神あふれるネーミングでこれも心温まるエピソードでしたね。

 

 原画を担当しているJOYRIDE先生は今も現役のエロ絵描きで、DLsiteのランキングでもよく見かけます。今はビッチの女子高生モノのエロCG集をよく出しているんですが、これだけ長い期間活動してると親子二代でお世話になっている方もいるかもしれなくて、ビッチ女子高生のCG集で息子が抜いていたら後ろから親父が「あ、この人Libido7の…」とか言い出す嫌すぎるイベントが発生するかもしれません。

 

 話が長くなってしまいましたが、この時代にこの感覚は本当に凄くて2016年に再プレイした今も新鮮に感じました。今はエロゲー業界も斜陽と囁かれて長いですが、こういった先鋭的な作品が彗星のように現れてまた時代を越えていくことを願っています。

 

◯おまけ

 続編の『Libido7 IMPACT』もタイトル画面&インターフェイスがメチャかわいいです。まぁでもやっぱりやってることはスカトロとSMにまみれたパワーレズセックスなんですけどね。(今回は時代を反映してか、闘神伝のエリスやナコルルのコスプレをして致すシーンがあって面白かったですね。)

 

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