マックはスマイル0円をやめろ

 

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僕が外食をする時に一番わくわくする時間、それはメニューを見ている時だ。

みなさんもそうに違いない。「このハンバーグおいしそう…!」「あっ!この前無かった新メニューだ!」どの飲食店に行ってどんな文字列を見ても胸が躍るし、これから自分が料理を食べる姿を想像すると、自然と口の中に唾液があふれてくる。

しかし僕が唯一許せないメニューが1つだけある。

それは「スマイル ¥0」という名前のメニューだ。

笑顔はタダじゃねぇ!

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この「スマイル ¥0」という文字列を見るたびに悲しくなって泣いてしまう。

何故かと言うと店員の胸の中を想像してしまうからだ。

今では僕もすっかりコミュニケーション弱者だということが分かったので諦めてしまったが、昔は一念発起しコンビニでバイトをしてみたことがある。

こういった客商売とは不思議なもので、客なんて一切来て欲しくないのに自分の本心とは全く逆の文句、つまり「いらっしゃいませ!」と言わなければならない。

「来るな来るな来るな!俺の勤務時間に来た客は生きて帰さない!!!」と念じているのにも関わらず無情にも客は続々とガリガリ君を買いに来る。

そして「ラッシャッセー…」と「一応『いらっしゃいませ』と言ってますよ」みたいな感じで抑揚のない発声をするのだ。

また、退店時には「ありがとうございます!」と言わなければならない。

本心では「お前が来たせいで余計な仕事が発生してしまった!二度と来るな!不幸が訪れろ!今買ったガリガリ君を食ってる途中で地面に落とせ!!」と客の背中に呪詛を送りながらも頭を下げて「アッシター…」と抑揚のない声で見送るのだ。

こんな勤務態度だったので僕は3日でコンビニをクビになったが、ここまで極端ではないとはいえ、誰しも客商売に従事している者ならば多少はこんな思いを抱いた経験があるのではないだろうか。

本心と業務上の命令が真逆で、心と身体が引き裂かれるような苦痛に襲われるのだ。

 ちなみに僕がコンビニを3日でクビになるほど自他共に認めるコミュニケーション弱者であることは前回の記事が詳しい。

subnacchi.hatenablog.com

 コミュ弱者が現代社会で生きるのは辛い。負の瘴気をまとっているのでまともな人間関係を築くのは不可能だし、歩いた後は草木が枯れ、頭上を飛ぶ鳥が突然落ちてきてたり、墓場の近くを通ると「お前も早く来い」と死者たちの声が聞こえてくるのだ。

閑話休題

おそらくマックの店員も、できれば笑いたくないのに「スマイル下さい」と言われたが最後「俺は会社の命令で笑うが、この後お前が一度として笑えないような人生を送ることを願っている」と思いながら表情だけ取り繕っているに違いない。

もしイキった中高生が集団で「お姉さんwwスマイル1つwお持ち帰りでw」とへらへらしながら言ってきても「申し訳ないんですが、スマイルは店内限定の商品となっておりまして…」と大人の対応をしながらしょうがなく笑ってあげるだろう。

しかし「あ~、ちょっと笑顔足りないな~wスマイルLサイズでよろしくwww」などと続けてきたらどうだろうか?

「ご一緒に拳はいかがですか?」と言いながら顔面に鉄拳をブチ込みたくなることは間違いないだろう。

小生意気なクソガキがスマイルを注文してきて笑ったら「う~ん、100点満点で3点。ちょっとこの店舗は従業員の教育のレベルが低いかな」と言い出したらどうだろう?

ドナルドの格好をした猟奇性犯罪者に誘拐されてスナッフビデオを撮られろ!」とクソガキの顔面がケチャップまみれになるまで殴りたくなってもしょうがないと思う。

1円玉を拾うのに1円以上のエネルギーを消費するという話もある。

自分の本心に逆らって表情筋を動かし、楽しくもないのに笑う、その行為のコストは0ではない。すなわちスマイルは0円ではない。スマイルプリキュアのDVDも税込み3990円だし、スマイルは0円でないのだ。

現代におけるサービス業従事者は社会の奴隷なのか?

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そもそもマックで働いてる人はみんなこの仕事がやりたくてやりたくてたまらなくて働いている訳ではない。

生活するためにお金が必要で、しょうがなく自分の時間を切り売りしているのだ。

生まれた頃からポテトが揚がる時の音を子守唄にして育ちました。小3の頃には世界各国のバンズの直径を暗記し、これまでマックで働くために一生懸命勉強してきました。ちなみに趣味は家庭菜園で、今栽培しているのはピクルスです

なんて人は存在しないし、たとえ存在しても異常者なので面接で落とされる。

もし幸運にも「採用。じゃあ明日からこの店舗に行って」と言われても、行った場所が精神科だったりするに違いない。

したがって通常の人は勤務時間以外が本当の自分。だからなるべく働いている間は消耗したくないのだ。

ここで「スマイル0円」という文句への懐疑がまた立ち上がってくる。

笑いたくもないのに業務命令で笑うのは、労働者にとって多大なコストがかかるというのは前の章で説明させてもらった。

その心身への負担は、男性向けのコンテンツに頻繁に登場する、恥ずかしい写真を撮られて脅され、むりやり笑顔でピースさせられるヒロインに近いものがある。

しかし企業は傲慢にもスマイル0円を要求してくる。

なぜこういった現象が起こるかというと、企業や経営者は、正社員ならば月給を、アルバイトならば時給を払えば定額使いたい放題。HuluやAmazonのプライムビデオみたいなものだと思っているのだ。

現在の日本のサービス業従事者は経営者に比べ立場が弱いし、出る杭は打たれるという国民性もあってなかなか「俺はなるべく働かないぞッ!」という高潔な意志を貫くことが難しい。

なので苦渋の思いで笑顔を作りながら「ありがとうございます!」と発声するのである。

皆がしぶしぶやっているのに恥ずかしげもなく「スマイル0円」なんて謳い文句を掲げているのである。

こんなキャッチコピー、何のことはない。奴隷商人と同じで「へっへっへ、旦那様。うちには笑いたくないのに笑うようにしつけた行儀の良い奴隷がたくさんいますぜ」と全く同じ意味なのだ。

ちなみにこの耐え難い苦痛を我慢するコツは「俺は今表情筋を動かしながら声帯を振動させているだけだッ!」と自分に言い聞かせることで、これを行うことで心と身体がバラバラになって爆発四散することを防ぐことができる。

それでも不遇な人生に勝つ

では我々は奴隷のままなのか。決してそれで終わりにしたくはない。まずは僕がペイントで2秒で作ったフローチャートを見てもらおう。

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大体の人がゲームオーバーにたどり着いたと思う。見出しが詐欺で申し訳ないが、特に逆転する方法は無い。

今回の人生は運が悪かったということで、Amazon練炭を購入したり、富士の樹海へ旅立った方が建設的だと思うし、廃人になるのと引き換えに快楽を得るタイプの薬品を使って現実逃避するのもいい考えだと思う。

こういった行動が反社会的だと思うならば、合法的な方法、例えばアニメの美少女に耽溺したり、イケメン同士が裸で絡み合うタイプの妄想を一生し続けるなどの方法を取っても良い。

苛立ちを何とかするには、穏やかに死んでいくしかないのだ。

話がネガティブな方向へ傾いてしまったのでお詫びと言っては何だが、接客業にありがちなイカれた客へのメンタルコントロール術を伝授しよう。

クレームに悩まされる労働者は多い。

マックだったら「ポテトが冷めている」「注文を取る時のお前の態度が気に入らない」なんかが定番だろう。

さらにレベルが頂点まで達したイチャモンまでいくと、「これのどこがハッピーセットなんだ!俺の考えるハッピーセットはパンの間に万札が挟まってたり、紙コップのフタを開けると砂金がなみなみと入ってるやつで、これじゃ全然ハッピーにならないんだが?」という理解不能なものになる。

対処はだいたい相手の気が済むまで平謝りすることだが、この際にメンタルが強靭でないと心が折れてしまう可能性がある。

そこでメンタルを支えるコツを伝授しよう。表情と動作はすまなそうな感じを全力で出しつつも心の中では別のことを考える。

「俺はこうしてマックのレジなんかをやっているが、それは仮の姿。将来はなろう小説で一発当てて富豪になる大作家様なんだぞッ!」や「描いた絵がpixivで10users入りしたことありますwww」「Twitterでフォロワー127人もいます。ツイートがやらおんに掲載されたこともありますし、崇め奉ってもいいですよ」などの、多少しょっぱくても自分を肯定してくれる事柄を祝詞のように唱えることだ。

これで少しでもあなたのメンタルへのダメージを軽減できれば幸いだ。

おわりに

これで僕がマックはスマイル0円をやめろと主張する理由は分かって頂けたかと思います。

そもそももうこのフレーズが定番化してるので逆にスマイル1000円とかにした方が話題になると思いますし、「は?スマイル?あんたは1000円だよ。…彼氏だけには0円だけどね…///」とか言う店員が現れたらそれこそ話題性かなりあるはずですよ。

という訳で今日の記事は終わりです。

また次の記事でお会いしましょう!