コラの方が有名な漫画のシーン5選

誰もがスマホを持って暇さえあればネットに興じているこの情報化社会、いかがお過ごしでしょうか
こういった環境では絶えず情報の波が押し寄せるため、それを処理するのに手一杯で、情報の内容や真偽についてはあまり吟味しない人も多いです
めちゃめちゃ偏向されたまとめブログを真に受けてデマを拡散したり、全然悪くない人を叩いたり、脊髄反射でこういうことをやってしまって後で枕に顔をうずめて布団で足をバタバタしたことがある人もいるでしょう
また、投網みたいなセクシーな上着でサングラスをかけた男性をBLEACHの作者だと思いこんでる人もいるはずです
同じように、コラの方がネット上では有名になってしまった漫画がいくつかありますので今回はそれを紹介していこうと思います
1.一本包丁満太郎「うんこの香りだあーっ!!」

ビッグ錠先生の『一本包丁満太郎』より、ご飯が炊けた時のシーンです。「漫画家も編集も、これが世に出るまでに関わった人は全員句読点というものを知らなかったのか?」という感じでツッコまれることが多いです
この模範的なツッコミからも分かるように、普通の人は「『うん、この香り』ってすればいいだけなのに、昔は印刷までのチェックがザルだったのね」という風に考えるので、そこでコラじゃないと認識してしまい追求を止めてしまいます
まぁそれはごく普通のことで、このシーンを読んで「ふむふむ…鼻腔にたっぷり匂いを吸い込んでから、満面の笑みで『うんこの香りだあーっ!!』と叫ぶ…。これは炊飯器で排泄物を保温して興奮する性癖の持ち主に違いない」と斜め上に読んでしまう人がいたら完全に異常者です
脱線してしまいましたが本題に戻ります。それではオリジナルはどうなっているのでしょうか?『一本包丁満太郎』は電子書籍になっているのでそれを見てみましょう

「うーん
この
香りだあーっ!!」
と改行されているためとても自然な流れになっています
つまり「うーん この」を「うんこの」に変えてゲラゲラ笑うという「まさかいい大人がそんなことやらないだろ…」となる今時小学生でもやらない大胆な犯行をあえてやったことで意表を突いたのと、「こんな時代であればチェックがザルなのもありえるかも…」といった思いが複雑に絡み合ったことで本物よりもコラの方が有名になったのではないでしょうか
「電子書籍化の際に修正されたのでは?」と言う人もいるかもしれませんが、コミックスの初版でも電子書籍と同じですし、また当時の雑誌掲載時も同じようです
一本包丁満太郎「うんこの香りだあーっ!!」がコラ画像かどうかで議論があり、なぜかコミックス初版を確認してしまう人があって気になって仕方ないので掲載誌を国会図書館で見てきました。画像はビジネスジャンプ1985年12月号(当時は月刊)。 pic.twitter.com/nprBXSkKZJ
— cxq05556 (@gutenpost5) 2017年4月22日
この素晴らしい調査をしてくれた方はおそらく無類のビッグ錠マニアなので
「真実が知りたいんなら国会図書館で当時のビジネスジャンプを確認するんだな」
「えっ!?わざわざ国会図書館に行って初出の雑誌でコラかどうか確認を?」
「ははは、まぁ普通の人ならムリだろうね」
「できらあっ!」

というスーパーくいしん坊イズム全開のやりとりをした結果確認しに行ったのだと思います
ちなみにこの『一本包丁満太郎』、いつものビッグ錠先生のノリで奇天烈なキャラクターと異次元の展開がバンバン出てくるため、その手の物好きには超オススメです
ちなみにビッグ錠先生の『一本包丁満太郎』のおにぎり師たちの登場シーン、どう見てもガロン塚本たちの登場シーンと一致じゃないですか? pic.twitter.com/LqdWemCb6I
— ✖♥ワイワイちゃん♥✖ (@subnacchi) 2018年2月17日
ここに出てきた「おにぎり師」という、楽天カードの審査で職業欄に書き込んだら絶対落ちるであろうジョブも強烈ですが、この漫画タイトルに一本包丁とついているくせに包丁を一切持つことなく、1~5巻までおにぎり生産のライン工かと思うくらいずっとおにぎり勝負を続けているのも強烈です
おそらく「一本包丁」は「一本しか持ってない包丁を家に忘れてきたのでやれやれと素手で勝負に挑んでみたら無双してしまった件」というなろう小説チックなタイトルの略だと思います
2.ウルトラ兄弟物語「死なないだろ…多分。」

かたおか徹治先生による『ウルトラ兄弟物語』からです
突然子供を盾にした敵に向かって「死なないだろ…多分。」と高田純次のようないい加減さで攻撃し、案の定スペシウム光線がヒット。そして、こんないい加減だし、自業自得なんだから何も感じないんだろうな…と思ったところに「ぼうやーーっ!」と悲壮感あふれる絶叫。続いて回想終了からの「二度と、あのことはくりかえさせん!」という完全な逆ギレというコンボに度肝を抜かれてしまいます
通常であればこんなサイコパスな正義のヒーローは嫌すぎるので、どう見てもコラなんですが、そうとは判断しづらい理由が存在します

かたおか徹治バージョンのウルトラマンはご覧の通り全てが無理になってストロングゼロをイッキしたり

その様子を見かねて諭しにきた同胞に「どうせおれはだめなウルトラ族さ!」と毒づくなどの、まるで将来の不安と今の境遇のストレスで、ストロングゼロでしか苦痛を紛らわせることができない40代派遣社員のような、かなり破天荒な描写があります
こういうシーンだけを抜き出すとかなりヤバい作品なんじゃないか…と思う人がいるかもしれませんが、実はこれヒーローに挫折した者がそれを乗り越えて真のヒーローになるという成長物語で、意外と普通に面白い作品です
それを踏まえてオリジナルを見てみましょう

うん、これだとサイコパスじゃなくて、ただ単に敵のほうが一枚上手だっただけですね。薄々気付いた人もいるかもしれませんが
「子供を誤って自分の手にかけてしまう」
↓
「それがトラウマになり酒びたりの自暴自棄な日々を送る」
↓
「そのトラウマを乗り越え真のヒーローになる」
という黄金展開をカマしてきてアツいです
良かった!僕らのウルトラマンはサイコパスじゃなかったんだ!と安心してウルトラマン関連のコンテンツを楽しむことができそうです
コラで1箇所セリフを変えるだけで、シリアスなシーンを『ボボボーボ・ボーボボ』や『ギャグマンガ日和』のような不条理系ギャグに変えてしまう魔法のようなコラ師の手法に脱帽してしまった回でした
- 作者: かたおか徹治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1998/10
- メディア: コミック
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
3.課長島耕作「バッバッバッバッバッ!」

一口もラーメンを食べずにいきなりコショウを鬼のような勢いでかけ始めます。この人、味覚障害かな?と思うのも束の間。苦言を呈する店主に「どこの馬の骨ともしれないお前より有名メーカーのコショウの方が信用できるんだが?」と人の感情を考えないアスペ発言を繰り出します
しかもこの間ずっとコショウはかけっぱなし。最後のコマで店主が「!!」と衝撃を受けていますが、発言の内容に虚を突かれたという訳ではなく、ずっとコショウをバッバッバッとかけてたせいで、日本昔ばなしに出てくる大盛りごはんのようにこんもりとコショウが積み上がっていたからだと思います
という訳でオリジナルを見てみましょう。どれだけの変化が加わっているのか気になるところです

元は課長島耕作シリーズの『係長島耕作』2巻に収録されています。さすがに会話の途中にも関わらず、もこみちのオリーブオイルばりにコショウを贅沢にふりかけるのはコラでした
こちらだと店主が驚いたのも発言に対してだとスムーズに解釈できます。しかし人の心を考えない非道なセリフは全てそのままです
僕のおばあちゃんは農家の人なのですが、もし僕が収穫したばかりの野菜を足で踏みにじりながら「どこの誰が作ったか分からない野菜よりも、カゴメの野菜生活の方が信用できる」とか言ったらボコボコにされると思います
ちなみに単なるアスペババアだと思われがちなこの女性、実は過去にレディースだったという経験があり、周囲の同調圧力に負けずに自分の意見をちゃんと言える豪胆さを表現するエピソードが今回のお話だという種明かしを一応しておきます
4.黒い清涼飲料水「もうエッチされても……いい…」

最初に言っておきますがこのお話は超名作です。怪しげなおじさんが売っているコーラが非常に中毒性があるということでみんなリピーターになり、どんどんその欲求がエスカレートしてまるで禁断症状みたいになり、昼夜を問わず値段にも糸目をつけず飲みたい人が群がるという展開のお話です
そしておじさんがいきなり煙のように消え失せておじさんコーラは買えなくなってしまうのですが、普通のコーラでは考えられない中毒性に「あのコーラには麻薬が入っていたのでは?」「暴力団が裏で糸を引いていたに違いない」などの噂がまことしやかにささやかれるようになります
主人公の女の子も最初は拒否していたけど麻薬に負けてしまったのか「もうエッチ……されても…いい」と堕ちてしまった女騎士のようなセリフを吐いてしまい、正直言って非常にエロいです
それではこのエロい展開はマジなのかオリジナルを見てみましょう。このお話が収録されている本、プレミアがついてて入手が難しかったんですが少し前に電子書籍になったのでそれを見てみます

ってオイ!おじさんはコーラの値段を釣り上げてはいますが、エッチな要求なんか一切してません!一瞬「なんてこった…この胸のトキメキを返してくれ…」と言いそうになりますが、最初にも言った通り超名作なので煩悩なんかどうでもよくなり没頭してしまいます
そして「麻薬入りコーラ」という噂は真実ではなく、実はもっとヤバいものが混ぜられていたことだけお伝えしておきます
このおじさんコーラこと『黒い清涼飲料水』が収録されている呪みちる先生の『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』ですが、都市伝説をベースにした本格ホラーのお話と、呪みちる先生の持ち味である奇想を堪能できるタイプのお話が入っていて入門用には最適だと思います。ホラー好きでまだ読んだことない人にはぜひオススメです
無料でwebで読めるものとしては
エクストリームマンガ学園020 呪みちる 七色の脳みそ
などがありますので気になった方はチェックしてみて下さい
5.キルミーベイベー「ババーン」

お、面白い…
まずキルミーベイベーを知っている人はこう思うはずです
「この異様なスピード感…!キルミーベイベーにしては面白すぎるしコラか???」と。そして心ない人の中には「キルミーで初めて笑ったわ」などとコメントする人もいると思います
確かに原作やアニメとは全然違うセンスの笑いにコラではないかという疑念が晴れません
さっそくオリジナルを確認してみましょう。この回は5巻に収録されています

オリジナルを見れば納得「これこそがキルミーベイベだわ」となる完璧なカズホテイストです。ちなみにこれがオチではなく、漫画全体は4コマ×4の合計16コマで、一番最後にきちんとやすなが地面に埋められます
「その挟んだコマ、面白くなってないし正直ジャマじゃね?」と言い出す心ない人もいるかと思いますが、そもそもキルミーベイベーはきらら系のコミックで、きらら系の作品の傾向は可愛い女の子たちが何の変哲もない日常を送るような内容がほとんどです
ターゲットとしてる読者は仕事などで疲弊し、癒やしを渇望しているオタクたち。少しでも刺激を与えると、すぐに泣き出してうつ状態に陥る可能性が高く、内容に関してはちょっとの刺激で爆発するニトログリセリンを輸送する時のように、慎重に取り扱わなければいけません
なので、コラのようにコマをカットして異様な疾走感を与えるとシュールギャグのような変貌を遂げてしまい、心弱きオタクたちに傷を与えてしまう確率が高まります。面白すぎるというのは逆効果なのです。なのでほのぼの感を残しつつクスリと笑えるという絶妙なバランスはこの状況では完璧な仕事だと思います。キルミーベイベー最高!
おわりに
という訳で今回はコラの方が有名になっている漫画について書いてみました。もしかしたらあなたが「これウケるなw」とSNSでシェアしようとしている画像はひょっとしたらコラ画像なのかもしれません…
と、怪談の締めのような感じになってしまいましたがぜひまた次の記事でお会いしましょう
ここ数年のなろう小説の名文をピックアップする

みなさん、なろう小説読んでますか?僕は『魔法科高校の劣等生』にドハマりしてからというもの、なろう小説独特の魅力にやられて時々読んでは楽しんでいます
当時どれくらい劣等生にドハマりしたかと言うと、主人公の司波達也に感情移入しすぎて、身分証が必要ない場面では常に「司波達也です」と名乗っていました。たまに全然元ネタを知らない人から「え~!漫画キャラみたいな名前でかっこいいですね!」と言われることがあり、そのたびに「やれやれ…」と言っていました。今思い返すと完全に狂人です
ところで、なろう小説と言えば「異世界」や「チート」、「ハーレム」などがその特色として挙げられますが、何よりも一番自分が重要だと思っているのは「読んでいて不安にならないこと」です
というのも、仕事や学校で疲れて帰ってきた後に主人公が敗北したり惨めな思いをしたりするような内容のものを読むと「なんでフィクションの中でもこんな思いをしなきゃいけないんだ!」とさらにドッと疲れが襲ってきてしまうからで、こういった思いを抱く人は僕以外にも多いと思います
その点なろう小説であれば一切その心配はありません。毎日上司に叱責されて無力感で打ちひしがれるおっさんも、異世界に行けば女の子には理由もなくモテモテになり、悪役に対しては無双。『魔法科高校の劣等生』でもそうだったのですが、何をやっても褒められるので、とてつもない全能感が体中に満ち溢れてきます
どのくらい褒められるかというと、登場人物たちが何気ない行動を全て褒めてくれるので、拾い食いをしても「まぁ!地面に落ちた不衛生な食べ物を消化する強靭な胃袋!素晴らしいですわ!」とか言われそうですし、強盗をしても「まさか、暴力を使って無理矢理金品を奪うなんて考えもしなかった…!とてつもない発想力だ!」とか言われそうです
とにかく読み進めるたびに自分が感情移入している主人公が褒められるのでグングン自己肯定感がアップし、就寝の時間が近づく頃には精神的充足感がバッチリ得られ、また明日の辛くて厳しい生活に立ち向かうためのエナジーを蓄えることが可能なのです。つまりなろう小説とは「読む抗うつ薬」と言っても過言ではないでしょう
という訳で本題に戻りここ数年のなろう小説の名文を紹介していきたいと思います。基本的には過去に話題になった作品からピックアップしているので、メジャーなものが多いです
座って食事をするだけで褒められる
ではまず1発目はこれ
「な、なんだコイツら木箱に座って食べているのか」
「それだけじゃないぞ……! 食事も木箱の上に乗っけている!」
「本当ね、余裕があって何だかかっこいいわ。こんな方法を思い付くなんて、凄い発想力だわ!」「…………どうしてだろう。何故か視線を感じるよ」
「気にしすぎだ。今は食事に集中だけしていればいいさ」
「そうだね……ううっ」
もぎゅもぎゅと口を動かして食べる少女。元から量もそんなに多くなくて、あっという間に食事は終わった。
「そろそろ店を出るか」
「そうだね……」
そう思って私たちは席を立ったその時だった。先程の女店員がこちらにやって来て。
「あ、あの……! それはどうされたのですかっ!」
「それ……とは。この木箱の事かな?」
「そうです。私、それに座って食べる人を始めて見ました。だけど、これなら服も汚れなさそうで……」
「なら、君も座って見るといい」
その言葉に店員は嬉しそうな顔を浮かべて。
「い、いいんですかっ!? 座っても!」
「…………ああ、構わないが」
「ありがとうございます! 貴方は優しい人なんですねっ!」
その喜びように私もケーレスも顔を見合せて同時にため息を吐いた。
「良かったらそのまま置いてもいいが。後で捨てようと思っていた所だったからね」
元々は先程の部具店のいらないものを私が譲り受けただけの事、この店が引き取ってくれるのならば、それはそれで手間が省ける。
「そんな……本当に何と礼を言っていいのやら…………」
「それなら礼の代わりにこの技術を広めて欲しい。さすがに立ったまま食事をするのはキツイからね」
「元よりそのつもりでした。これで誰も食事の時に筋肉痛にならなくて済みます」
「そうか、では私たちはこれで……」さっきの会話を聞くに、きっとすぐに椅子とテーブルの技術は量産されるだろう。ならば後はそれを気長に待つだけだ。
「金はちゃんとテーブルの上に置いてあるから安心してくれ」
「な、なるほど……この大きいのがテーブル。分かりました、ありがとうございました」
そう言ってお辞儀をする女店員。それに私たちは何と返していいのか分からないまま店を出た。
ちょっと読んだだけでこの名文の素晴らしさが分かって頂けると思います。イスとテーブルを使って食事をする文化が存在しない異世界を訪れた主人公が、座って食事するだけで褒められるという場面です
初めて読んだ時はあまりの衝撃に「クソッ!なんで僕は食事しているだけで褒められないんだッ!」と叫んでしまいました。普通の日常を送っている人間だとまずこのシチュエーションで賞賛されることはありませんし、僕に至ってはごはんを食べている時に「この穀潰しが!」、「仕事は半人前なのにメシだけは一人前に食うんだな」という罵倒を受けたことがあります
それはさておき、イスという文化を伝えた後の『これで誰も食事の時に筋肉痛にならなくて済みます』のキレが良すぎて、読者の腹筋の方が先に筋肉痛になる可能性が高いです
最後の締めの文章も素晴らしく、「これがテーブル…ありがとうございます」とお辞儀をする店員に対し『それに私たちは何と返していいのか分からないまま店を出た。』という主人公たちの反応が書いてありますが、なんと返していいのか分からなくなるのはこれを読まされた読者の方だと思います
肉を両面焼いただけで褒められる
2発目はこちらです。
・・・言っては何だが、技術も減ったくれも無いな。
焼き方は合ってるのだが、ただ火を通しただけで全体に熱が行き渡る様に回転をさせてないから半分の面が焦げかかってて、半分が生煮えだ。
ご飯は流石に普通だが、肉は酷いもんだ。
それを皆何も言わずに美味しそうに食べている
「あのー、少し聞くけど、いい?」
俺はなるべく失礼のない話し方で言った。
「何かな?」と奥さん
「この肉の焼き方なんだけど、これは何処でもこのやり方?それともこの家だけ?」
「この焼き方も何も、他に如何焼けと言うの?」とリンナ
どうやら、本当に分からないらしい。
「先ず、恐らくこの針の棒を指して竃に入れ込んだだけだと思うんだけど
竃の上に網か何かを置いてそこに人数分の肉を一旦置いて、程よく焼けたら裏にしてまた焼く。
こうすれば両方に均等に熱が加わるんだけど?」「・・・なるほど、考えた事も無かったわ。なら君が一度やって見せてくれない?奥さんはそれに付いて見て貰って方法とやり方を盗ませて貰ったらどう?」
植民地をゲットしにきた白人がアフリカの原住民に出会った時のような感じですが、これがなろう小説です。今までの小説に対する常識は全て捨て去って下さい。
片側しか肉を焼かない異世界人に対して両面を焼くことで賞賛されてしまうシーンですが、両面でこの反応ならばおそらく異世界人たちはサイコロステーキの6面を全て焼いたりしたら嬉ションしたまま絶頂&失神してしまうのではないでしょうか
余談ですが、僕を含めたなろう小説の名文愛好家たちと焼肉に行った時は毎回、いつの間にか1人が裏返さずにじっと火を通し、それに気付いた人が「こうすれば両方に均等に熱が加わるんだけど?」と言いながら肉を裏返す小芝居が始まります
代名詞が消え失せた世界
それでは3発目です
大型肉食恐竜型ハンターは、小型獣型ハンターに振り向いて大きく口を開けて吠える。
まるで獲物の邪魔するなと言われているようで、攻撃を止めて戸惑う小型獣型ハンター。
小型獣型ハンターは大型肉食恐竜型のハンターに牙を向けて威嚇したり、吠えて威嚇している。
大型肉食恐竜型ハンターはぶるぶると頭を振って小型獣型ハンターを片足で踏み潰す。
大型肉食恐竜型ハンターに踏み潰された小型獣型ハンターは頭を上げて吠え、頭が地面に突く。
小型獣型ハンターの紅い眼が点滅して消え、小型獣型ハンターからばちばちと火花が散っている。
大型肉食恐竜型ハンターがオレに襲い掛かろうとしている小型獣型ハンターを銜えて放り投げ、口の中の砲口が伸びてキャノン砲で小型獣型ハンターを撃つ。
小型獣型ハンターが空中で身体を起こすのも虚しく空中爆発する。
大型肉食恐竜型ハンターは尻尾で小型獣型ハンターを薙ぎ払い、口の中の砲口からキャノン砲で小型獣型ハンターを撃っている。
小型獣型ハンターが大型肉食恐竜型ハンターと戦っている。
今ここを読んでいる人がどういう行動を取ったか当てますが、あなたは上の文章を途中で読み飛ばしましたね?でもそれは当然のことだと思います
まるで「今から文章を書いて下さい!…ちょっと待った!ただ1つだけルールがあります。それは代名詞を使わないことです。まぁ使いたければ使ってもいいですが、その場合…お前の両親の指を1本ずつ切り落とす…!」と宣告された人が書いたような感じに仕上がっており、文章の書き方なんかを教える本だと「これが悪い例ですよ!」と全力で紹介されそうな、華麗なる悪文に仕上がっています
ちなみにこの作者は一部の界隈である種の絶大な人気を誇りつつ、「神がおふざけで作った男」などと称されネットのおもちゃにされているsyamu gameさんと同一人物です
ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ―――。
4発目です。
『それじゃ、行くぞ』
フェルのかけ声とともにみんなが部屋の中へ飛び込んでいった。
ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ―――。
ドガンッ、ドガンッ、ドガンッ―――。
「「「グォォォッ」」」
「「「ブモォォォッ」」」
トロールとミノタウロスにフェルの風魔法と雷魔法が炸裂する。
ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ―――。
「「「「「グルォォォォッ」」」」」
火魔法を体にまとったドラちゃんが高速で移動しながらトロールの胸を次々と貫いていく。
ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ―――。
「「「「「ブモォォォォッ」」」」」
スイの酸弾がミノタウロスの腹を溶かしていく。
ちょっと待って下さい!これはれっきとした異世界モノのバトルシーンで、決して小学生が悪ふざけで書いた文章ではありません。ほぼ擬音語とモンスターの叫び声で展開される新感覚のバトルに、初見の人は圧倒されて泣きながらブラウザを閉じてしまうかもしれませんが落ち着いて下さい
みなさんも経験があると思いますが、人は興奮したり、感動したりと精神が不安定になった時にすごい勢いで語彙力が無くなっていきます
僕もごちうさなどの可愛い女の子が出てくる深夜アニメなんかを見ていると、気分が高まってきて知らず知らずのうちに頭をかきむしりながら「「「「「ブモォォォォッ」」」」」 と言葉にならない言葉を叫んでしまうことがよくあります
まぁでもここで挟んだ話は、いくらでも落ち着いて推敲することができる小説という今回のケースには全くあてはまらないので、単に作者のボキャブラリーが貧困なだけというのが悲しいところです
ただ1点だけ補足しておきたいのですが、文章はアレですけれども着想はかなり面白いです
異世界に召喚された主人公の固有スキルが「ネットスーパー」で、ネットで購入した現実世界の調味料を使ってファンタジー世界のモンスターを料理していくという話の流れなのですが、「次はどんなモンスターがどんな調理をされるんだろう?」とわくわくしてしまいます。異世界でありながらも生活感がにじみ出る独特のテイストは他では得られないでしょう
そして実はこの作品、文章がアレという唯一の欠点を帳消しにしたコミック版も出ているので読むならそちらの方がオススメです
- 作者: 赤岸K,江口連,雅
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2017/12/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
劣等生を超える逸材、マサツグ様
5発目、これで最後になります
ここでは僕がなろうで最も好きな小説を紹介します
「んぎいいいいいいいいいいいいいいいいい」とミヤモトがまたしても金切り声を上げた。
一方で、俺のその剣技を見ていた少女たちから感嘆の声が上がる。
「ご主人様、すごい・・・。太刀筋が全然見えません」
「聖剣をいきなり使いこなすなんて・・・。もしかしてマサツグ様は勇者様でもあったんですか!」
「勇者どころじゃないよー、神様にだってなれるんだからー」
「ち、ちくしょう! 返せ! 返せよ! 俺の聖剣を返せ!!」
そう言ってミヤモトが泣きじゃくりながら俺に迫ってくる。「いや、もちろん返すさ。ふう、まるで俺が弱い者イジメをしたみたいに思わるじゃないか。そうだ、ちゃんと説明しておこうじゃない。皆さん! 俺はいじめをしてるわけじゃありませんよ!!」
俺はそう言って周りにイジメではないと大声で説明をする。
「や、やめろよ! 俺はイジメなんて受けてる訳じゃねえ!い、いいから返せよ!」
「だからそう言ってるんだ。いじめなんて最低の行為を俺はしてる訳じゃないから。周りの人たちにも言っておかないと。皆さん! 断じて俺はミヤモト君をイジメて泣かせた訳ではありませんからね!」
「うわあ! やめろよおお!!」と俺を制止しようとしてくるミヤモト。
妙にリアリティのあるいじめ描写が「これ、本物の陰キャがなろう小説を書くことでいじめられた鬱憤を晴らしてるんじゃないか…?」と話題を呼んだ作品です
マサツグやミヤモトという日本っぽい名前ばかり並んでいますが、これはなろうでも主流の「学校のクラスまるごと異世界召喚」という設定だからです。ミヤモトは元の世界でのいじめっ子で、カーストの最底辺だった主人公のマサツグはそいつにいじめられていたんですが、異世界に召喚されてチートスキルを得ることで2人の立場が逆転します
この作品は本当に好きなので他の文章も紹介しようと思います
「なんだよ、可愛い子連れてるじゃねーか。しかも3人とか、マサツグには似合わねーんだよ! おら、3人とも俺に寄越せ。文句ねーだろうな? ねえ、君たちもこんな奴より俺のほうが良いだろう?」
そう言って猫撫で声で少女たちに手を伸ばしたのである。
こうやってかつて学校でも彼氏がいるいないに関わらず、そのルックスで可愛い女性たちを食い散らかして来たのだ。
俺はすぐにそれを止めようとする。
・・・だが、そんな必要は全くなかった。
「ご、ご主人様ぁ・・・気持ち悪い人が近寄ってきます・・・」
「え?」
ミヤモトが何を言われたのかわからず、笑顔の表情のままで固まる。それはかなり間抜けな光景だった。「マサツグ様、何なんですか? このゴミは? ゴミが私たちに話しかけてくるなんて、今日はおかしな日ですねえ」
「なあっ!?」
エリンの辛辣な言葉に、ミヤモトが口をパクパクとした。シーも口を開いた。
「蛆虫みたいだからーあんまり私たちの視界に入らないようにして欲しいのー。視界に入るだけで不快なのー。マサツグさんさえ見えていればそれでシーは十分なのー」
全編こんな感じで展開します。いじめっ子にはチートスキルで復讐を果たし、どんな強敵が出てきても「やれやれ…」と手を抜きながら勝ち、作品中でも絶世の美女とされる女の子に惚れられまくり称賛されまくり
まるで僕が小学校の頃に寝る前にしていた妄想と全く一緒です
誰も正確なタイトルを覚えておらず「きのう更新されたマサツグ様がヤバくてさ~」という感じで『マサツグ様』と畏敬を込めて呼ばれるこの作品、実は更新がぱったりと途絶えた時がありました
そんな時ファン達は口々に「きっと現実世界のミヤモトに小説がバレたに違いない…」とささやき合ったという微笑ましいエピソードがあります
そんなマサツグ様もちゃんとその後なろうにカムバックし、人気もあったので書籍化されています
もちろん僕も購入しましたが、この書籍版には重大な欠点があります
それはミヤモトの存在がまるごと無かったことになっていることです
他にも全体的に描写がマイルドにされています。おそらく書籍化の際に偉い人が「さすがにこれを商業出版物として世の中にリリースするのはマズすぎるだろ…」という判断をしたんだと思います
確かに読者に致死性のショックを与える劇物のような小説ですが、我々マサツグ様ファンからすると戦時中の軍の検閲なみに非道な行為です。しょうがなく枕を濡らしてweb版を読み返すしかありません
未読で『魔法科高校の劣等生』が好きだった人にはぜひ読んで欲しいですね。5行おきぐらいにヒロインやモブから肯定され、無双しまくる快感の波状攻撃のような内容に脳がノックアウトされるはずです
おわりに
という訳で5つのなろう小説の名文を紹介してみました。「こんな有名どころ全部知ってるんだが?」となる人もいると思いますが、まだまだなろうには手付かずの自然のような素晴らしい文章がたくさん眠っています
他の名文を紹介したり、最近のなろうの傾向についても触れたいと思うのでまたこのテーマについては記事を書くつもりです
なので今回「また読みたいな~」と思った人は次回の更新もぜひチェックしてみてください
ではまた次の記事でお会いしましょう
超絶表現のグルメ漫画、さぼリーマン飴谷甘太朗を君は読んだか?
百花繚乱のグルメ漫画

今はグルメ漫画戦国時代。あらゆる雑誌で食をテーマにした漫画が連載されています。学校で、職場でそして異世界で、サラリーマンが、女子高生が、そしてエルフや女騎士が食べて食べて食べまくる、そんな時代になっています。クレヨンしんちゃんの野原ひろしやカイジのトネガワやハンチョウもこの流れには逆らえないようです
そういったたくさんあるグルメ漫画の中で異彩を放つ、『さぼリーマン 飴谷甘太朗』を紹介していきたいと思います。ちなみにこのマンガの原作の方はトネガワとハンチョウの原作も担当してらっしゃる萩原天晴さんです
主人公はクール系メガネ男子。外回りの営業の仕事なのですが、きっちり仕事をした後の余った時間でスイーツ探索(つまりサボり)に勤しむというナイスガイです。まずは百聞は一見にしかず、度肝を抜かれたシーンを見ていきましょう


これを見てもらえば分かる通りとてつもなくシュールです。おしるこに口をつけたとたん滝に打たれる修行僧のように頭から汁が降り注ぎ、その後スライムに捕食されて消化された人みたいに跡形も無く消えてしまいます。残ったのはおしるこで作られた主人公の顔。この表現を見た時シュールすぎて度肝を抜かれました。欠点を言えばうまいのかまずいのかよくわからないところです。ちなみに主人公のメガネが餅で表現されるという小ネタが挟まっているのが地味に好きなポイントです
孤独のグルメなどのように落ち着いた感じでおいしさを表現するリアル系や、逆に「こいつメシに媚薬でも盛られてんのか?」と思うくらい恍惚とした表情でおいしさを表現するオーバーリアクション系、幅はありますが食べた当人のリアクションで表現したりするのが今の主流だと思います。そしてこれは食戟のソーマなんかに近い、食べた人の心象風景を全力で表現するファンタジスタ系のグルメ漫画です
心象風景タイプの表現のはじまり
食べた人の心象風景でおいしさを表現するのはおそらくアニメ版のミスター味っ子が源流の1つになっていると思います

とにかく表現がオーバーで、基本的に料理は光を放っています

また、料理がうまい場合はとりあえず口からビームを出します

時にはマーライオンのように水を勢い良く出します
とにかくビームを放つグルメアニメですが、この作品の監督はロボットアニメ界の重鎮である今川泰宏監督。演出がブッ飛んでいることで有名な人ですが、おそらくロボットアニメ的なセンスでグルメ漫画を表現してしまったのでビームが頻繁に放たれることになったのでしょう
他にも

料理を食べた人がスターを取ったマリオになったかのように光り、穴という穴からビームを出しています

どう見ても薬物使用の疑いがある、回転寿司のレーンが七色に光る表現です。東南アジアに入り浸るバックパッカーが焦点の合わない目で「この前回転寿司に入ったら七色の寿司が流れててさ~」とか言ってそうです

そして食べた人は寿司でサーフィンを始めますたぶんこれを読んでいる人は意味が分からないと思いますが大丈夫です。僕もよくわかりません

また、料理のうまさに空中浮遊しながら移動し、メシをかっこむシーンもあります。ダルシムや麻原彰晃レベルの大道芸です

最後はやっぱりビーム。大阪城が浮遊&崩壊して和風のラピュタみたいになっています

そこから大阪城が急に巨大な人型に変身。原作がグルメ漫画であることを忘れて完全にロボットアニメになっています
とまぁこんなシーンがいっぱいありすぎて紹介だけでブログ2~3記事になってしまうのでこれでやめておきますが、こういったグルメ漫画でのブッ飛んだ心象風景の表現のルーツはここらへんにあると思います
シュールさに全振りした心象風景の表現
という訳でまたさぼリーマン 飴谷甘太郎の話に戻ってくるのですが、こちらの漫画も負けていません。それどころかシュールさに関しては他の追随を許さないパワーがあります

主人公がきんつばを食べた時のシーンです。相変わらずうまいのかまずいのかよくわからないですがきんつばを通過して自分自身がきんつばになってしまいます。超絶シュールですが、つまりオタクが言う「きんつばがうますぎて完全にきんつばと化したw」みたいな感じだと思います

いちごミルク金時白玉の回ですね。口にした瞬間いちごと小豆と白玉がスイーツを使ってカーリングを始めます。たぶんこの左の文章、画像を見ずに読んだら「????」と混乱してしまうと思います。ちなみに他では見ないタイプのこのシュールさ、マグリットやダリあたりの影響もあると思いますので貼っておきます

シュルレアリスムの代表的な画家であるマグリットも後世日本のグルメ漫画に影響を与えるとは思っていなかったでしょう
そしてさぼリーマン 飴谷甘太朗は言語センスも抜群です

肉付きのいいイチゴを「いい筋肉」と表現するこの斜め上のセンス。これはバキで恋人への消えない思いを「歯痛」と表現した時以来の斜め上っぷりです。この特殊な言語感覚からもうまいのかまずいのかさっぱりわかりません

ちなみにバキのシーンはこれです。ロマンティックさがマイナスに振り切ってるセリフに「うれしい……」と応えるヒロイン。完全に脳筋系のバカップルです

他にもこの「究極完全パウンドケーキ待機状態」など、どう考えても一生やらないであろうアクロバティックなポーズなのに「うん…確かにこの格好は究極に完全にパウンドケーキを待ってるポーズだ…」と納得してしまう言葉のパワーがあります

このページなんかはキレたフレーズの玉手箱みたいなものですね。全ての言葉が冴え渡っています。この中だと「レッツゴー大納言…!!!」がお気に入りで、僕自身もあんぱんとかを食べる時に別に大納言あずきじゃないのに使ってしまいます
おわりに
と、まぁこのように素晴らしいセンスで超絶シュールな心象風景を描いたナイスなグルメ漫画『さぼリーマン 飴谷甘太朗』ですが、残念なことに既に連載は終了しています(未見ですが今ドラマもやってるようです)
ただ、全2巻なので、サクッと読めますし何よりこの記事で紹介したシーンはごく一部なので本編のめくるめくシュールなグルメ世界をぜひ味わって欲しいですね
それにこのシュールな部分が無かったとしても主人公のキャラがめちゃめちゃ立ってますし、コメディタッチで描かれる人間模様もいい感じで普通に漫画として面白いです。また作中で出てくるスイーツは全て実在するものなのでグルメガイドとしても使えるという実用的な一品です。
甘太郎と同じものを食べて「レッツゴー大納言…!!!」と呟けばあなたの意識もすぐに亜空間へ旅立つことができるでしょう
ではまた次の記事でお会いしましょう
2次元好きのオタクが初めて地下アイドルのイベントに行った話
地下アイドルってひょっとしてヤバいの?

この間「地下アイドルはヤバいよ…」という話を色々な人から聞いてしまい怖くなってちょっとぼかしつつTwitterで↓のようなことをつぶやきました。
独自調査したら中高生の地下ドルは100%同世代の彼氏がいるし、それ以上の年代になると彼氏+パパ活+風俗みたいなコンボまでキメてくるし、容姿が多少良いだけで人生を乗り切ろうとする上に自己顕示欲が人一倍ある人間は恐ろしいし、妖怪と変わらないですよ。
— ✖♥ワイワイちゃん♥✖ (@subnacchi) 2017年2月4日
もちろん同意してくれる方もたくさんいたんですが、一部の地下アイドルにハマっているオタクたちから文句を言われまして
「は?お前は見たのか?ソースを出せ!嘘だ!嘘だッ!」
とひぐらしの雛見沢症候群になってしまった人
「ま、俺が推してる◯◯ちゃんは、まだコウノトリが赤ちゃんを運んでくると思っている純粋な子だけどね」
と人前で露出の高い格好で歌い、金を取って握手をするような女の子を純粋だと信じ切ってしまう素直な人
「コポォ…アイドルは…処女…コポォ…」
とオタクを通り越してクトゥルフ神話の邪神みたいになってしまう人
などなどたくさんの苦情を受けた上に
「お前は地下アイドルの真実“トゥルー”を知らない…!」
と地下アイドルがたくさん出るイベントに強制連行されることになってしまいました
行くぜっ!地下アイドルイベント
イベントの会場に着くとオタクが行列を作っていました
ちなみに場所は皇居の近くだったんですが、オタクの集合体が禍々しい瘴気を生み出していて、まるで天皇を呪殺するために集まった呪術師のような感じでした
とは言っても若い大学生くらいのオタクも多く、小綺麗な感じの人もたくさん見かけたので
「自分が想像してたよりも普通の人もかなりいるなぁ…」
と思わずつぶやいてしまいました
するとすかさず同行してくれたオタクのAさんが説明に入ります
「握手やチェキという接近イベントがあるので、アイドルのオタクはその他のオタクに比べて身だしなみに気を使うことが多いんですよ」
確かに僕や僕の周囲にいるような、とらのあなの同人誌コーナーで、えっちなサンプルを血眼で吟味するだけが生きがいようなタイプのオタクはほぼ見当たりません
それどころか女性ファンの姿すらチラホラ見当たります
見た感じファッションやメイクも推しのアイドルに寄せているようで、女性声優やラブライブのイベントでもこういった女性を見かけましたが、アイドルが女性にとっての憧れの対象になってて、一種のロールモデルになっているのだと思います。
ちなみにイベントの料金は当日券で3000円。8グループ観れるのでお手頃な価格だと思いました。
いざライブ!
実際ライブが始まると「タイガー!」「ファイヤー!」と謎の叫び声が聞こえます。
「うわなにこれ…」とビクビクしながらこの初体験を味わっていると、オタクのAさんが解説を入れてくれます。
「これは地下アイドル現場だと必ず行われる『MIX』というやつですね。他にも『うりゃおい』『PPPH』『ふっふ~ふわふわ』なんかがあります」
ただオタクが叫んでるだけなのに必殺技みたいに名前つけすぎでしょ!と思ったんですが、口には出さず適当に「へぇ…深い…」とその場をやり過ごしました。
ちなみにオタクたちがホラー映画のクリーチャーや、座敷牢に閉じ込められてるタイプの人みたいに激しく奇妙な動きをしてて、それにも驚いたのですが、ああいった動きにも1つ1つ名前が付いてるんだそうです。
途中で推しがいるグループが出たのか、持ち時間の20分ぐらい延々と「ア゛ーーーーッ!!◯◯ちゃんかわいい!!!」と叫んでいる人がいたので僕が顔を青くして震えていると、オタクのAさんが「ドルオタは推しの娘が出た瞬間にIQが8ぐらいまで下がるんですよ」とフォローを入れてくれました。
そんなこんなで地下ドルのライブを歌も踊りもけっこう楽しみ、最後の方は僕もサイリウムを振ってノっていました。
オタクのAさんに「どうでしたか?」と感想を求められたので「いや~楽しかったですよ。ただみんな歌がけっこう下手なのと、なぜかユーロビートの曲調が多いと思いました」と答えると、「歌が上手いとオタクには引かれるんですよね。やっぱり自己肯定感が低いオタクは心の底で自分が見下せる女を求めてるフシがあります。あとオタクは音楽を理解するセンスが壊れているのでユーロビートでしかノれないんです。」と爽やかな笑顔で答えてくれました。
待ちに待った物販
「ライブも終わったしメシでも行きますか?」と撤収モードになっていると「何言ってるんですかッ!物販に行かないなんて今日来た意味ゼロですよッ!」と激しく怒られました。
物販はもちろんアイドルのグッズも売ってるんですが、握手ができたりチェキが撮れる接近イベントがいろいろな理由でメインらしく、それはアイドルと直に触れ合えるオタクとしても、ごっそりここで稼げるアイドル側としても物販こそがメインらしいです。
「じゃあ記念って意味でも握手してチェキるか~」と軽い気持ちでオタクのAさんが推してる娘の列に並びます。
しかし並んでるうちに「ってかそもそもファンでも何でもないし何話そう…」と不安が芽生えてきます。
そしていざ自分の番が来た時「アッ…アッ…」となってしまいましたが、ぎゅっと手を握って笑顔で「どうしたの~?今日は初めて?」と話し掛けてくれます。
さすがにコミュ障の僕もその優しい対応にようやく話せるようになり、最後の方は調子に乗って「初めて生でアイドル見たんだけど、ワンオクのライブより良かったよ」とかワンオクのライブなんて行ったことないのに超適当なことを言ってしまいました。
いや~、これは危ないですわ。
僕は訓練されているのでドハマリはしませんでしたが、自分が応援してるアイドルのステージを見て、握手できてお話できる。
これはそこら辺の弱いオタクだと簡単に「ガチ恋した…」とか言いながらコロっといってしまいそうですね。
オタクのAさんもニヤニヤしながら「どうでしたか?オタクは普段女性と触れ合う機会がゼロで、なおかつ好意的に話を聞いてくれる女性も生活圏の中に皆無。なのでこういった接近イベントを経験すると、麻薬中毒患者のようにアイドルとの触れ合いを渇望するんですよ」と言ってきます。
興が乗ったのかさらにオタクのAさんが「2次元のアイドルが好きな人ほど接近イベントがある地下アイドルにハマる素養があると思います。アイドル好きには単にアイドルという神格化された存在が好きだったり、推している自分が好きだったり様々な理由がありますが、2次元では決して得られない肌のぬくもりや、自分の話に即レスしてくれる肯定感と速度感があるので、もうただのデータで構成された女なんかには戻れない人も多いですよ」と興味深い話を続けます。
「なるほど…。一度生身の女に直に触れてしまうとマウスクリックやスマホタップでしか干渉できない女には戻れない…。オタクはやっぱり強がってはいても、結局データの女よりタンパク質の女なんですね…」と美味しんぼのカレーの話を思い出しながら適当に相槌を打っていきます。
ちなみに僕が思い出してた美味しんぼの話はコレ
↓

ちなみにチェキも撮って、チェキにはアイドルからのメッセージが書かれるのですが、僕の会話も顔も一切褒める所が無かったのか「服装タイプすぎ♡」と書かれていて、どうにかしてオタクを肯定しようというその心遣いに泣きました。
オタクなんてちょろいので、女の子が「えー!すごい!酸素を二酸化炭素に変換してるとかすごすぎるよ~!」と言って普通の人は皮肉だと捉えることでも、女の子から褒められることなんて無いので「いやぁ…それほどでも」 と赤面しながら真に受けちゃったり、「お前こそが俺の酸素!!」とアスペみたいな返しをしたりすると思います。
おわりに
という訳で地下アイドルイベント楽しかったです。
こりゃハマる人いるな~。と納得しまくりでそりゃ「前田敦子はキリストを超えた」とか「山口百恵は菩薩である」とかアホなことを言い出す人も出てくる訳ですな、って思いました。
しかしそういう魅力的な側面がありつつもそばに深い闇が横たわっているのも事実。
どこぞの地下アイドルがオタクと繋がって妊娠中絶して、激怒した事務所から契約解除されたニュースが流れたり、ドキュメンタリーで『手ブラチェキ』などのえっちなお店まがいのサービスが放映されたり、表に出てる情報だけでもその闇の深さは計り知れないです。
こういうグレーゾーンの楽しみだからこそ、用法用量をよく守って適度に付き合ってゆくのが正しいのかもしれませんね。
お母さんといっしょに買うと特典をもらえるラノベを、男オタクをママに仕立て上げて買いに行った話
はじめに
先日、ネットをやっていると「このラノベのタイトルひどすぎwwww」みたいな感じで取り上げられていた本があり、「またこのループしてる話題か…。すぐには全体が把握できないラノベは、他との差別化のためにタイトルでキャッチーだったりインパクトを出す必要があり、作者も編集者も日夜知恵を絞ってるんだからしょうがないだろ…」と思いながら開くとそこには
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 井中だちま
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2017/02/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』
というタイトルが。うん、これはセンス良いタイトルだと思います。長文系にカテゴライズされながらも2chのスレタイやアフィブログのタイトルみたいな臭さが無い上に、JRPG黄金世代を生きたオタクたちに訴求するインパクトあるタイトル。全体攻撃で二回攻撃ってドラクエのはやぶさの剣とブーメランが合体したのと同じですよ?
元ネタは90年代に作られたパナソニックのキャッチコピーである『きれいなおねえさんは、好きですか。』だと思いますが、当時の一般男性がこぞって「そんなもん好きに決まってるだろ!!」と叫んでいたのに対し、こちらはオタク男性がターゲットなので「いくら全体攻撃で二回攻撃とは言ってもねぇ…。物理属性の耐性持ちだったらどうするの?やはり無属性魔法攻撃じゃなきゃ!」「お母さんって…さすがに血縁関係はひくわー、やっぱお母さんは年下で血の繋がりが無いみりあちゃんが最高バブ」「俺の好みは次元の狭間の宝箱を開けるといきなりタイダルウェイブで全滅させるタイプのお母さんかな」などとめんどくさいことを早口で言い出す輩がかなりいると思われます。
このラノベに対するコメントをいくつか見てみたのですがやはりケチをつけてる面倒なオタクが存在してて、その中で僕が一番好きなのが「ギリメカラに対して無力」です。(※ギリメカラはRPG女神転生シリーズに出てくる敵で物理攻撃を反射するので殴ると死にます。)
「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」ってタイトルへのツッコミで一番秀逸だと思ったのは「ギリメカラに対して無力」ですね。
— ✖♥ワイワイちゃん♥✖ (@subnacchi) 2017年1月18日
驚愕のフェア
そんなこんなでタイトルも僕的に気に入って「買おうかな~」と思ってたところアニメイトで特典がもらえるキャンペーンがあることを知るのですが、これがまた頭のネジがブッ飛んだフェアなんですよね。

対象商品をお母さんと一緒にお買上げ頂いたお客様にSS入り小冊子をプレゼント!そのフレーズを見た途端40歳ぐらいの派遣社員のオタクが介護中の母親を連れてアニメイトに行く姿が脳裏によぎってボロボロ泣いてしまいました。
しかし冷静に考えると、無関係の人を連れて行っても「母親の写真入り身分証明書と戸籍謄本を見せてください」なんて言われる訳がないし、適当に誰かにママになってもらえばいいんですよね。
今話題のラノベのアニメイトの、お母さん同伴だと特典がもらえるフェア、無関係の人を母親と偽るオタクが大量発生するし、完全に「お前がママになるんだよ!」案件だ…。 pic.twitter.com/rnRcTaBwM0
— ✖♥ワイワイちゃん♥✖ (@subnacchi) 2017年1月18日
せっかくだから特典も欲しいしアニメイトで買おうと思ったんですが、僕はお母さんには愛想を尽かされて連絡を取る方法がないですし、女性の知り合いなんかもいないのでこの特典が欲しければ知り合いの男オタクをママに仕立て上げるしかないんですよ。
という訳で知り合いのオタクに「あのさ…明日アニメイトに付き合ってくれない?」とLINEを送ったのでした。
いざアニメイトに出陣
フェア開始当日、駅で待ち合わせをしてアニメイトに向かいますが、今回の僕の計画をどう説明したらいいものかと考えてるうちにアニメイトの前まで着いてしまいます。
しょうがないので「なぁ…俺のママになってくれないか…?」と切り出します「なんだこのキチガイは?」みたいな表情をした男オタクさんですが、一から順に説明するとようやく分かってくれたようで快諾してくれました。
しかしアニメイトの店の前で男オタク同士で「俺のママになってくれないか?」と告白するなんてまさか自分の人生でそんな場面が訪れるとは夢にも思いませんでしたし、BLの中でもかなりニッチなシチュなんじゃないでしょうか。
店の中に入りラノベ新刊コーナーに行くとありましたありましたお目当ての本が、さっそくレジに持っていきます。しかしいざ店員を目の前にすると「男はママじゃねーだろ!」とごもっともなツッコミを入れられて特典をもらえなかったらどうしよう…と不安になってきます。
勇気を振り絞って「あっ、あの…この本、お母さんと一緒、特典…。この人おっ、お母さん…」と男オタクを指差しながらコミュ障全開で話しかけると「はい、こちらの商品。確かにお母さんと同伴だと特典が付きますね。ただいまお持ちします」とめちゃスムーズにやりとりが終了しました。アニメイトの店員さん、ぐう有能!僕たちは店の外でハイタッチをしてそのまま夜の街へ消えていったのでした。
結論
という訳でこれで身をもって証明することができたんですが
「アニメイトの、お母さんと一緒に行くと特典をもらえるフェアは、男のオタクをママだと言い張っても本当にもらえる」
という結論になりました。(噂によると2次元画像や抱き枕でもお母さんと言い張れば特典をもらえるらしいので誰かチャレンジしてみて下さい。)
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 井中だちま
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2017/02/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
このブログについて
ブログの内容
ワイワイちゃんが日々思ったことや気になったこと、漫画やライトノベルなどについて語っていきます。
プライバシーポリシー
メールフォームから送信していただいた内容(メールアドレスや投稿内容)について、無断でウェブサイトに掲載、第三者に譲渡することはありません。
コメント欄やソーシャルブックマークなどを通じてコメントしていただいた内容は記事中で紹介する場合があります。ご了承ください。
Google Analytics
サイトの分析と改善のためにGoogle Analyticsを使用しています。
ブラウザによるアクセス時に、データ収集のためCookieを設定する場合があります。また、Googleに個人情報を含まない情報(アクセスしたページのURLやIPアドレスなど)を自動的に送信します。当サイトはそれらの情報を、サイト利用状況の把握やサイト利用体験の改善、サイトユーザーの傾向をコンテンツとして紹介するといった用途で利用する場合があります。
Google Analyticsによる情報収集を希望されない場合は、Google アナリティクス オプトアウト アドオンをご利用ください。
Amazonアソシエイト
わいわい保管庫は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。






